ケガをした時に役に立つのが三角巾です。
三角巾があれば、圧迫で止血や腫れを防止することができます。
さらに固定することによって悪化防止や苦痛の軽減に1役かってくれます。
また被覆で被うことによって外からの刺激を防ぐ役割ももっています。
このように大変便利な三角巾ですがなかなか教えてもらう機会がありません。
そこで今回は、アニメーションで説明してくれているボジョレーに教わる救命ノートhttps://www.119aed.jp/から三角巾の使い方をご紹介します。
三角巾の基本
三角巾で手当てをする前に三角巾の基本の畳み方をご紹介します。
三角巾を使用するときは下に置かないようにしてください。
たたみかたには、二つ折り、四つ折り、八つ折りと三種類あります。
出典 https://youtu.be/Z1tmO6mq-bE
包帯の代わりや止血のために使うときは部位にあわせてたたみます。
部位ごとに三角巾の使い方をご紹介していきます。
頭をおおうとき

頭のてっぺん(頭頂部)などの傷で、ガーゼがずれ落ちないように固定したいときに便利です。


三角巾の底辺を1回ほど折り返して、額に当てます。

三角巾の両端を頭の後ろで交差して、額の前で結びます。


頭の後ろで余った三角巾は、クルクルと丸めてずれ落ちないように適当な隙間に差し込み処理します。
頭、ほお、あごを巻くとき

額、耳、ほお、あごなどをけがしたときの手当てに使用します。

三角巾を傷に合わせ4つ折りや8つ折りにします

三角巾を適当な幅にたたみ、中央部を患部の保護ガーゼの上に当て、一方の端は
あごの方へ、他方の端は頭頂部へもっていきます。


反対側の耳のやや上で交差させ、一方の端を額の方へ、他方の端を後頭部へ回し患部を避けて結びます。

ひざを巻くとき

ひざを擦りむいたときなどの手当てに便利です。

ガーゼがずれないように注意しましょう。
4つ折りのたたみ三角巾を準備し、たたみ三 角巾の中央部をひざの外側にあてます。

三角巾を膝を十分に覆うくらいの幅にたたみ、患部に当てた保護ガーゼの上を覆い、膝の後ろに回して交差させます。

一方の端で当てた三角巾の膝の下方を回して押さえ、他方の端で当てた三角巾の上方を回して押さえ、膝の上方外側で結びます。

ひじを巻くとき

ひじをすりむいたときなどに役立つ手当です。

4つ折りもしくは、8 つ折りのたたみ三角巾を準備し三角巾の中央部を傷病者の肘の外側にあて、両端を肘の内側で交差させます。

交差した三角巾の下になっている端を上腕の方に、 上になっている端を前腕の方にして、肘部外側を押さえて いるたたみ三角巾を重ねて押さえるようにしながら、それぞ れ 1 巻きし、肘部内側に両端を持ってきます。

足首を巻いて固定するとき

ねんざの時など靴の上から固定する方法です。


三角巾を8つ折りにして使用します。足の裏に三角巾の中央がくるように当て、両端末は足首の裏で交差させます。

クツを履いている時は、クツの上から三角巾を巻きます。

足首の裏で交差した両端末は、さらに足首全面で交差させ脇から通します。

脇から両端末を通したら、そのまま前で本結びをして、しっかり締め付けて完成です。脇から両端末を通したら、そのまま前で本結びをして、しっかり締め付けて完成です。

足の裏を巻くとき

足首を冷やすための保冷剤を固定したり、足首を動かさないための固定方法です。

基本的に靴を履いた状態とやりかたは変わりません。


三角巾を8つ折りにして使用します。足の裏に三角巾の中央がくるように当て、両端末は足首の裏で交差させます。

足首の裏で交差させた三角巾を足首にまわします。

足首の裏で交差した両端を足背にまわ し、足関節の前で結びます。
うでのつり方

上腕・前腕の骨折又は骨折の疑いのある場合や脱臼など腕を動かしたくない時にも使用できます。



三角巾の頂点がひじ、長辺の中間が手首にくるように当てます。

三角巾で腕を包むように折り返して首の後ろで結びます。

傷病者に腕の高さが負担になっていないか確認しましょう。

傷病者の腕に合わせそえ木(副子)の形を変えて、固定を行います。
固定が完成したら、三角巾を肩から脇にかけて差し込みます。

三角巾の底辺にあたる両端を首の後ろで結びます。
肘の内側、下には尺骨神経(しゃっこつしんけい)という神経が走っていて、ここを圧迫すると簡単にしびれたり、運動麻痺が起こすため、肘の下、もしくは内側に結び目が来ないようにすることが大切です。
手の甲を巻くとき

やけどや出血で外気に触れないように被覆する方法です。
被覆の場合はきつく結びすぎないように気を付けましょう。

基底を 3~5cm幅外側に折り、頂点側 に手の指先が向くようにして、中央部に手を置きます。

頂点を手背部に折り、手を包むようにします

基底を 3~5cm幅外側に折り、頂点側 に手の指先が向くようにして、中央部に手を置きます。

両辺を手背側に沿って斜めに折り込みながら手に密 着させます。

両端で手背部を覆って交差させ、更に手関節部で交差させます。

両端の余分を手関節部で後方に巻き込ませ、甲側で結びます。
足の甲を巻くとき

やけどや出血で外気に触れないように被覆する方法です。
被覆の場合はきつく結びすぎないように気を付けましょう
手当の基本は手の甲と同じです。

頂点を足関節側に折り、足を包むようにします

基底を 3~5cm幅外側に折り、頂点側 に足の指先が向くようにして、中央部に足を置きます。
三角巾の両端を足の甲で交差させ、足関節後方で両端を交差させます。

両端を、足関節前部で頂点をおさえるよう にして結びます。

最後に
三角巾の手当ては傷口を保護し、圧迫固定が主な目的です。
また、三角巾がなくても、レジ袋やストッキング、ネクタイなどでも代用できます。
詳しくは各消防署主催の普通救命講習や日本赤十字社主催の救急法を受講してみてください。
三角巾はあくまで応急手当ですので、ケガの具合がひどい場合はすぐに医師の診察を受けるようにしてください。


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