AEDだけでは人を助けることはできません 


人が倒れていたら、119番通報とAEDの要請をしますが、AEDは万能ではありません。


AEDを使えば必ず人を助けることができるAEDだけで人を助けることができる→×

倒れている人がいたため、呼吸の有無にかかわらずモニター代わりにAEDのパッドを貼るAEDは心肺停止の判断をする機械である→×

AEDは止まった心臓を動かしてくれる機械である。→×

迷ったらAED→×




これらは、AEDという言葉が一人歩きした結果できたイメージです。


AEDだけでは人を助けることはできません


では、AEDに何が必要なのでしょうか?

一つずつ確認してみましょう。
 



AEDを使えば必ず人を助けることができるAEDだけで人を助けることができる→×



心停止には4つのタイプがあります。

➀Asystole心静止 心臓の電気活動がなくなり、心臓が静止している状態

心電図asystole
心停止を示す4つの心電図波形とその対応 (hanakonote.com)



➁PEA(無脈性電気活動) 心電図に何らかの波形が現れるが、血液の拍出はなく、脈が触れない状態

心電図PEA
心停止を示す4つの心電図波形とその対応 (hanakonote.com)



③VF(心室細動) 心室がブルブル痙攣している状態で、血液の拍出ができていない状態

心電図VF
心停止を示す4つの心電図波形とその対応 (hanakonote.com)



④pulseless-VT(無脈性心室頻拍) VT(心室頻拍)の中でも、有効な心収縮ができず、脈がふれない状態

心電図pulselessVT
心停止を示す4つの心電図波形とその対応 (hanakonote.com)



AEDは上記の中でも、③と④の心臓が痙攣しているタイプの心停止に電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための医療機器です。


逆をいえば、心室細動以外の不整脈や心停止、あるいは呼吸や意識などがある場合に、AEDは電気ショックの指示を出さないため、AEDで助けることができるのは心室細動、無脈性の心室頻拍を起こしている人だけです。



また、心臓の痙攣も10分程度しか続かないため、AEDが到着するころには心臓が止まり電気ショックが不要になっていることが多くありますし、

心室細動であってももともと心臓が弱っている人や電気ショックを行うのが遅れたときなどは使っても救命できないこともあります


そのためにも、反応・呼吸がない人にはまず胸骨圧迫つまり、胸を押さないとAEDを持ってきても間に合わないということを覚えておいてください。





倒れている人がいたため、呼吸の有無にかかわらずモニター代わりにAEDのパッドを貼るAEDは心肺停止の判断をする機械である→×


AEDは心停止の際に機器が自動的に心電図の解析を行い、心室細動を検出した際は除細動を行う医療機器ですが、モニター除細動器とAEDは違います。


AEDは傷病者が心肺停止かどうかを判断することはできません。



AEDが解析しているのは、心停止状態であることを疑っている人に対して、電気ショックが必要な心停止か、それとも電気ショックが無効な心停止かを判断しているに過ぎません。


AEDは明らかに反応・呼吸がある人には装着してはいけないものとして設計されています。


呼吸の有無にかかわらずモニター代わりにAEDのパッドを貼る、AEDは心肺停止の判断をする機械ではありません。




AEDは止まった心臓を動かしてくれる機械である。→×



心臓が痙攣していると血液を送り出せません。


このような時に、正常な心拍を取り戻すために、電気で一瞬心臓を止める機械がAEDです。


しかし、その後止まった心臓が正常に動き出すことはまずありません。



正常な動きを心臓に取り戻すのに必要なのが、胸骨圧迫です。

AED使用後も胸骨圧迫が重要ということです。


最後に 迷ったらAED→×



AEDは、心肺停止の人に対して装着するように設計されている機械です。

心肺停止に陥ると、心臓が異常な痙攣状態等に陥り、通常のポンプの動きを果たせなくなります。

そのため、AEDによる電気ショックによって、心臓の異常な動きをリセットすることで、元の正常なポンプの動きに戻すことを促します。


心臓に正常な動きを取り戻すためにAEDによる電気ショック後、胸骨圧迫が有効です。


つまり、迷ったらAEDではなくまずは胸骨圧迫なのです。



胸骨圧迫に関してはこちらの記事もご覧ください。

クイズ形式で学ぶ 応急手当普及シリーズ  第3回 『普段通りの呼吸がなければ押す!』

普段通りの呼吸がなければ押す


そういえば、胸骨圧迫は昔は心臓マッサージと言っていましたよね?


そうですね、心臓マッサージというと開胸して直接心臓をマッサージする方法と区別するため、胸の上からの間接的な圧迫を胸骨圧迫と言います。




呼吸の確認をして普段通りの呼吸がなければ胸骨圧迫をするんですよね?


そうですね、胸骨圧迫がしっかりできれば倒れた人が助かる確率は格段に上がるので、とても重要です。


そこで、クイズ形式で学ぶ 応急手当普及シリーズ 第3回 は胸骨圧迫をテーマにお届けします。



 

クイズに進む前に、呼吸の確認の目にどうするのか?呼吸の確認をしてからどうするのか?流れで見てみましょう。

 

傷病者の発生

安全の確認

反応を確認する

大声で助けを呼ぶ

119番通報・AEDの手配

呼吸の確認

(普段通りの呼吸は)   

している→回復体位にして様子を見ながら救急隊を待つ

していない → 胸骨圧迫30回

 

見ながら胸骨圧迫ができる画期的な救命アイテム「QQGLOVE(キューキューグラブ)」

 

出典 https://qqglove.com/

 

もしも、目の前で人が倒れたら

胸部圧迫(心臓マッサージ)や人工呼吸は、心臓から脳への血流を途絶えさせないために行う行為です。

しかし、気が動転して救命の処置に迷ったり、適切に行うことができない場合があります。

 

そんな時に、心強いアイテムがQQGLOVE(キューキューグラブ)です。
 
キューキューグラブは、いざという時に実際に手にはめて使用します。
 
また、普段からより身近なところに 備えて置いたり、講習会などで活用することで、胸骨圧迫をより正しく覚え復習することができます。

 

そこで今回は、心肺蘇生法を行う上で心強いサポートアイテムであるQQGLOVE(キューキューグラブ)をご紹介します。

 

 

 

年間70000人 8分

 

QQ手袋

出典 https://qqglove.com/

続いては困ったときの強い見方!キューキューグラブのご紹介です

 

 

皆さん、年間70000人 というのは何の数字かわかりますか?

 

 

実は、日本では年間7万人、1日200人もの方が心臓突然死で亡くなっています。

そのため、あなたの目の前で突然人が倒れたとしても数字的にはありうることです。

そして、救急隊が到着するまでの時間は全国平均で8分かかります。

 

しかし、早い段階で心肺蘇生を行えばなんと2倍もの人の命を助けることができます。

 

 

心肺蘇生法

出典 https://qqglove.com/

 

意識がない、息をしていない、呼吸をしていない、そんな時は心肺蘇生法(胸骨圧迫)が必要です。

 

 

心肺蘇生法

出典 https://qqglove.com/

 

でも、いざというときに自分ができるか不安です。

 

 

 

キューキューグラブとは

 

出典 https://qqglove.com/

 

大丈夫です。

そんな時に役立つのがこのキューキューグラブです。

 

 

手袋に何かかいてあるみたいですね?

 

 

 

QQ手袋

出典 https://qqglove.com/

 

そうなんです、このキューキューグラブには左手に①周囲の安全確認②反応の確認③119番通報④AEDの依頼⑤呼吸の確認という流れが

 

 

右手には⑥胸骨圧迫開始⑦垂直に強く(5㎝)⑧早く(1分間に100~120回)⑨呼吸が戻るまで続ける⑩できれば人工呼吸もというように、胸骨圧迫のやり方がプリントしてあるんです。


 
 

なるほど手袋を見ながら胸骨圧迫ができるなら安心ですね

 

 

心肺蘇生法

出典 https://qqglove.com/

 

胸骨圧迫(心臓マッサージ)は手を使って行うため、本を開いたり、携帯で調べながらだとどうしても時間のロスがありました。

このキューキューグラブなら、手袋に順序が記載してあることで手元を見たまま円滑に処置ができるんです。


 
 

ありそうでなかった、 うれしいアイテムですね。

 

 

キューキューグラブができた経緯

キューキューグラブはグラフイックデザイナーの目代靖子さんが

展示会で、小学生の手袋を使った工作を見たこと、

その翌日に心肺蘇生法を推進するテレビCMを見かけたことがリンクして出来上がったものだと言います。

「目の前で人が倒れたとしてとっさに行動できるだろうか。手元に救命手順のマニュアルが欲しいな。あ、手袋に書いてあればいいかも?」
 
この思いつきをきっかけに、心肺停止者への救命処置手順を手袋表面に印刷したものが『QQGLOVE(キューキューグラブ)』です。

 

 

 

キューキューグラブの使い方

 

QQ手袋

出典 https://qqglove.com/

 

手袋の印刷面が左右とも手の甲側になるよう着用し、手順を確認しながら心肺蘇生を行ってください。

左右逆に装着してもかまいません

 

 

また、キューキューグラブはコンパクトなため、持ち運びが便利な心肺蘇生法のマニュアルとしても利用できるんです。

 

 

心肺蘇生法グローブ

出典 https://qqglove.com/

 

確かにケースに入れれば、鞄や首から下げてもおしゃれですね

 

 

 

グローブ

出典 https://qqglove.com/

 
 

そうですね、他にも避難用リュックにつけておいたり、救急箱にいれたり、車に備え付けておくと、いざというときに便利ですね。


 
防災用品として備えておくことはもちろん、通常の手袋としての用途を果たし、各種作業を衛生的に行うことができます。
 
 
家族や友達に贈り物しても喜ばれそうですね

 

 

 

でも、どこで手に入るんですか?

 
 
 

キューキューグラブはどこで手に入るの?

 

現在、小中学校や高校などで心肺蘇生法について講習を行う際に活用(配布)。
自動車教習所の講習時に活用(配布)。

の動きが出ています。

 

 

早く普及の輪が広がると良いですね。

個人では買えないんですか?

 

 
 
キューキューグラブ

出典 https://qqglove.com/

 

もちろん、個人でもこちらから購入できます。


 
 
https://qqglove.com/
 
 
アイデアで人を助けるというのは素敵ですね

 
 
 
心停止者へ心臓マッサージを行うのと行わないのでは、救命率に約2倍の違いがあると言われています。

救急車が到着するまでの一般市民による救急対応がとても大切です。

しかし、実際に救命の行動を実施するのは大変勇気のいることです。


 
 
 
このキューキューグラブは、落ち着いて正しく救命処置ができるよう、行動のあと押しができるまさにアイデアで人を助けることができる商品ですね

 
 
こちらも人を助けることができるアイデアですので、あわせて、ご覧ください。

 

「怖い」「難しそう」と感じる心肺蘇生法の練習がペットボトルでできる

◯◯を歌って心臓マッサージとAEDのやり方を覚える方法 最適な歌はアンパンマン?世界にひとつだけの花?それとも、、

出典  https://aikru.com/archives/2359


万が一の時の為にAEDや心肺蘇生法を学んだものの忘れてしまった。

よくわからない

回数が曖昧

という方は多いと思います。

でも、知っておかないといざというときに不安です。

そこで今回は、歌って覚える、心臓マッサージとAEDのやり方をご紹介します。


心臓マッサージのリズム


2010年度版では心臓マッサージの速さの目安を「少なくとも1分間に100回以上」としていました。

その後、2015年10月、日本蘇生協議会は、意識や呼吸のない人への対処法を示した蘇生ガイドライン」を5年ぶりに改訂し、心臓マッサージの速さについて、「100~120回/分」と上限を設けました。

血流量を得るためには血液を流すための圧力が高いほど有効となります。

そのためには、絶え間なく連続した胸骨圧迫と毎分100回~120回の圧迫ペースを行った方が血液を流すための圧力を増加させ、生命維持に重要な臓器である心筋(心臓の筋肉)や 脳細胞維持に必要な血流量を増やす(酸素を供給する)ことができます。

そのことから、心臓マッサージのテンポは1分間に100~120回といわれているのです。



100回~120回のテンポの曲


実際に心臓マッサージを行う際に1分間に100~120回といっても難しいと思います。

そこで1分間に100~120回のリズムの曲を何曲かご紹介します。

世界に一つだけの花


出典 https://youtu.be/EbYccNXoci4

まず一曲目は、SMAPの35枚目のシングル「世界に一つだけの花」です。

1:33から1:52のサビ「世界に~ればいい」を利用すればちょうど30回になります。


ドラえもんの歌


出典 https://youtu.be/s4pgnGqkNEU

続いてはドラえもんの歌です。

こちらのドラえもんは「こんなこといいな~」から始まる大山のぶ代さんがドラえもんの声をやっていた時のバージョンです。

歌い出し0:17~0:32「こんなこと~ふしぎなポッ」までで30回になります。




アンパンマンのテーマ


出典 https://www.youtube.com/watch?v=bxS1QKP0I3M

アニメ それいけ!アンパンマンのOP「アンパンマンマーチ」です。

冒頭のサビ「そうだ~守るため」までで30回になります。

他にも、動揺のあんたがたどこさどんぐりコロコロなども1分間に100回~120回の代表的な曲です。



心臓マッサージ 理想の回数は?


1分間に100~120回、中でも、京都府立医科大学の山畑佳篤講師(救急医学)の研究成果によると1分間112回が良いという成果が出たそうです。

そして、1分間に112回の曲がプリンセスプリンセスの代表曲DAIAMONDSです。

出典https://www.dailymotion.com/video/x7d8ri

またこの曲には、はっきりした「裏拍というものがあります。

裏拍がはっきりしているので腕を引く動作が正しくできるということです。

これが押すだけでなく「手を引く」という動作も助けてくれます。

これは、心臓マッサージの大切な目的である血流を脳に送るというポンプ機能の効果を高めてくれる働きがあります。




心臓マッサージに最適な歌


前述の山畑先生が心臓マッサージにぴったりなDiamondsの曲に合わせて、正しい手順と具体的な方法を学べる替え歌を発案しました。

出典 https://youtu.be/B0B6J3rj6Xc

「Diamonds (心肺蘇生バージョン)」 作詞:山畑佳篤医師

突然倒れる あなたをみかけた
周りには誰もいーなーいー
すぐに肩を叩きーなーがーら
呼んでもでも反応ない(ああ、ああ、ああ)
大声さけんで 助けをもとめて
119番コール
AEDも忘れずに
持ってきてーほしーいー

息が とーまる 瞬間の
あごの うーごき 見逃すな
それは 心肺停止で
脳が 危ない サインさ
胸のまんなか 両手をおいて
ひじをのばして 押し始めろ
1、2、3、4

胸骨圧迫
AH(AH) なんどでも押ーそーうー
AH(AH) うまくいえなーいーけーれーど
助けたいのさ
あのとき感じた
AH(AH) 思いはほんーもーのー
AH(いま) あなたをたすーけーるーのーは
わたしの心マ

なんども押ーしーてーも
やすまず押ーしーてーも
まだ鼓動はでてこーなーいー
AEDがとどーいーたーら
電源をつけーてー
パッド 貼ーって はなれたら
光る ボータン みのがすな
それは 心室細動
電気 ショーックで たすけろ
自分離れて
あなた離れて
みんな離れて
ショックをすーるー
わたし、あなた、みんな、(ドン)

圧迫再開
AH(AH) 絶え間なく押ーそーうー
AH(AH) 疲れてしまーうーまーえーに
交代しよう
あなたを助ける
AH(AH) 思いはほんーもーのー
AH(いま) うまくわたしーてー行ーこーう
いのちのリレー
心肺蘇生は
AH(AH) 誰にでもでーきーるー
AH(AH) 命をすくーうーたーめーに
身につけようよ
あのとき感じた
AH(AH) 予感はほんーもーのー
AH(いま) わたしの目の前には
元気なあなた

https://youtu.be/B0B6J3rj6Xc




最後に


プリンセス・プリンセスDiamondsは少し前の曲ですが今でも歌い次がれる名曲です。

替え歌も覚えやすく、耳に残るものとなっています。

心肺蘇生法の流れを確認して、いざというときにそなえましょう。

こちらの記事では、ダンスで覚える心肺蘇生法をご紹介しています。


ダンスで心肺蘇生法やAEDが学べる富美岡高校ダンス部が踊るレスキューダンス

「怖い」「難しそう」と感じる心肺蘇生法の練習がペットボトルでできる

突然、大切な人が心停止を起こした場合、あなたや周りの人が早急に心肺蘇生法を行うことで救命率が高くなります。

しかし、教習所や授業などでやる機会があり、当サイトでも何回か取り上げている心肺蘇生法ですが、世論調査では5割以上の人が心肺蘇生法を「できない」と回答しているんです。

心肺蘇生法をできない理由


講習で学んだことはあるけど実際は、、

骨が折れそうで怖い

心肺蘇生法を行う判断が難しそう

練習用人形と感覚が違いそうだから難しそう

などが理由として挙げられます。

しかし、この「怖い」「難しそう」と感じる心肺蘇生法の練習がペットボトルでできるというニュースをみましたので、今回はご紹介したいと思います。

ペットボトルでできる心肺蘇生法の練習とは


心配蘇生法の練習をペットボトルの空き容器で簡単に実施できるキット『CPR TRAINING BOTTLE』を開発したのは一般社団法人FastAid

このFastAidはサイトURL:https://www.fastaid.co/

突然の心停止は、側にいる市民による迅速で絶え間ない応急手当がなければ、到着した救急隊や病院の医師などの専門家もなす術がなくなってしまい、命を救うことができません。

そこでファーストエイド(First Aid、応急処置)について、専門家による処置の完璧さよりも、市民による対応スピードを重視する考え方について「FastAid」という造語を作りました。

ファストなもの(いつでも身近にあるスマートフォンやペットボトル)でファストに(短時間で簡単に)応急手当を覚えたり緊急対応できる体制を作ると言う意味も込めています。

という素晴らしい理念の団体で『CPR TRAINING BOTTLE』は、CPRの際に胸を押すのに必要な力が、空のペットボトルを押す力とほとんど同じであることに着目した世界初のCPR訓練用キットです。

心配蘇生法の練習がペットボトルでできるって本当?


『CPR TRAINING BOTTLE』はサントリー 南アルプスの天然水 550mlのペットボトルを横から押すと、訓練用の人形とほぼ同じ弾力があり、訓練に活用できることを発見、精密測定してキット化したものです。

まだ販売はされていませんが、このサントリーの天然水のペットボトルは500mlの方は年間7億本も売れているそうなんです。

まさに身近にある、誰にでも入手しやすいもので、CPRが練習できるというわけなんです。

何十種類ものペットボトルを試し、センサーで測ったところ、サントリーの「南アルプスの天然水」のボトルの押したときや戻ってくる感触が、最もマッサージ用人体模型に近かったそうです。

どのようにペットボトルを使用するのか?


出典 https://cpr-training-bottle.com/

DRINK


必ず訓練は二人組で行います。

ペットボトルの水を飲みほしてからキャップをしっかり閉めます。

SET


ボトルを置き(キットがあればシートに)1人はボトルが動かないように押さえる。

もう1人はボトルに両手を重ねる。

PUSH


ボトルがへこむのを感じながら、上記動画のリズムに合わせて2分間押し続ける。(1分間に訳110回のリズムを目指す)

救急車が到着するまで、CPRをやり続けることが大切です。

しかし、正確に心臓マッサージを続けられる時間は、慣れた人でも、2分程度と言われていて救急隊員でも交代が必要なため、2人一組で2分間づつの交代で行います。

ペットボトルを押す力と実際の胸骨圧迫


FastAidによると、精密測定の結果、空のサントリー天然水のペットボトル(550ml)を真横から簡易講習で使われている訓練用人形の胸を5cm押す際にかかる荷重を調べた力である約50kgの荷重をかけて押すと、約6.5cmあるボトルの直径が約2cm程度になるまで凹むそうです。

つまり、ペットボトルを4.5cm押していることになり、実際の人間の胸は、体格や年齢などで硬さに差はありますが、JRC蘇生ガイドライン2015では押し込む深さが成人で5cm(6cmを超えないこと)と規定されているためほぼ同程度であるといえます。

よって圧迫時にボトルが2cm程度の厚みになるくらいを1つの目安にしてください。

また、人間の場合、板状の胸骨があるため、見た目上、押した部分のみが凹むわけではなく、胸骨全体が凹みます。

最後に


心停止に対する救命処置である胸骨圧迫による心肺蘇生法を学習できますが、よりくわしく学びたい場合は消防署で開催されている普通救命講習、上級救命講習日本赤十字社の救急法を受講をお勧めします。

助かる可能性を高める!心肺蘇生法のやり方徹底解説

心肺蘇生法

交通事故の18倍もの方が突然死で亡くなっています。

 

そして、心停止で倒れた人の社会復帰率は9%の現状、さらに倒れてからの対処が1分遅れるごとに救命率は7〜10%下がります。

 

しかし、それを救える方法があります!

 

 

CPR(心肺蘇生法)とは


それが、CPR(CardioPulmonary Resuscitation)、いわゆる心肺蘇生法です。

 

心肺蘇生法とは、胸骨圧迫法(心臓マッサージ)を主に行い、余裕があれば気道確保、呼吸の補助方法である人工呼吸を行うことを指します。

 

運転免許を持っている人や最近では授業でもとりあげられるので、一度は知識として学んだことがある人も多いはずです。

 

ただ、今、目の前で誰かが心肺停止で倒れた場合、あなたは心肺蘇生法、行うことができますか?

そこで今回は、助かる可能性を高める!心肺蘇生法のやり方についてお話します。

 

 

 

 

心肺蘇生法の流れ


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画像:日本赤十字社の一次救命処置(BLS)~心肺蘇生法とAED~

 

 

 

反応(意識)を確認する


まずは、倒れている人の反応を確認します。

周囲の安全を確認してから倒れている人に近づきます。

そして、肩を叩きながら、「大丈夫ですか?」「聞こえますか?」など大きな声でよびかけ、反応があるか確認します。

 

この時、鎖骨の辺りを叩きましょう。

 

 

 

助けを呼ぶ・119番通報(口頭指導)


倒れている人(傷病者)に反応がなければ、大きな声で周囲に助けを求めます。

 

 

 

119番通報とAEDの手配


 

「人が倒れています!誰か来てください。助けてください!」

 

周囲に人が集まったらあなたは119番通報をして、救急車を呼んでください」、「あなたはAEDを持ってきてくださいと指示を出します。

この時のポイントは、指示を出すときに指をさして、あなたは119番を、あなたはAEDと個別に指名することです。

「あなた」と指示されることで、格段に行動しやすくなります。

 

誰も周りにいない場合は、自分で119番通報しましょう。

 

 

119番通報のポイント


119番通報すると、電話口の通信指令員から、呼吸・心停止の判断や胸骨圧迫のやり方などの指導を受けることができます。

 

はじめての119番通報・心肺蘇生法で慌てないための通信指令員口頭指導 徹底解説

 

 

 

救命講習を受けたことがなかったり、心肺蘇生法に自信がない場合は、119番通報して状況を説明した後、通信指令員に相談して指示を仰ぎましょう。

 

 

 

 

呼吸の確認


傷病者が正常な呼吸をしているか確認します。

 

胸や腹部の動きを見て(上下に動いているか)判断します。

胸と腹部が動いていなければ、呼吸が止まっていると判断します。

 

「死戦期呼吸」という心停止直後によく見られる、しゃくりあげるような呼吸があります。

 

死戦期呼吸では口がぱくぱく動いていることが多いため、別名「あえぎ呼吸」とも呼ばれており、胸骨圧迫が必要な状態です。

口の動きを見ると、この死戦期呼吸を正常な呼吸と勘違いしてしまう可能性があるので、胸やお腹で呼吸の確認をします。

 

 

呼吸の確認のポイント


呼吸の観察には10秒以上かけないようにします。

正常な呼吸かわからない場合など、判断に迷ったら、ただちに胸骨圧迫を開始します。

迷ったら(疑わしきは)胸骨圧迫、とされています。

すぐに胸を押しましょう。

 

 

 

胸骨圧迫


 

傷病者を仰向きに寝かせて、横にひざをつき、胸骨圧迫を行います。

成人への胸骨圧迫は、片方の手の付け根を胸(胸骨の下半分)に置き、もう片方の手を重ねて指を交互に組みます。

肘をまっすぐに伸ばし、手の付け根に体重をかけて胸の真ん中(胸骨下半分)を圧迫します。

 

一回圧迫したら、胸が完全に元の位置に戻るように圧迫を解除します。そしてまた圧迫します。

 

 

小児(15歳未満)の場合は、両腕または片腕で圧迫をします。

 

小さいお子さんのお母さんお父さん必見!幼児の心肺蘇生法 徹底解説 

 

 

乳児の場合は、二本指(中指と薬指)で圧迫します。

 

 

胸骨圧迫のポイント


 

押す深さ

胸が約5cm沈むように圧迫し、6cmを超えない。(小児や乳児は、胸の約3分の1の深さ)

 

押すテンポ

1分間に100~120回(小児や乳児も同じテンポ)

 

解除(除圧)

毎回、圧迫したらしっかりと(完全に)胸を元の位置に戻す。

ただし、押す深さが浅くならないように注意しましょう。

 

絶え間なく

AEDを使う際や人工呼吸の際など胸骨圧迫を中断する時間が生じますが、中断は最小限にします(10秒以下)

 

交代する

胸骨圧迫は体力を使います。

胸骨圧迫の質(深さやリズムなど)を低下させないために、複数人いる場合には救助者同士で胸骨圧迫を1~2分ごとに交代しながら行いましょう。

 

 

 

AEDを使う


AEDの電源を入れると音声ガイダンスが始まります。このガイダンスに従い使用します。

 

 

 

AEDの使い方の流れ


 

AEDの電源を入れる

フタを開けると電源が入るタイプ、電源ボタンを押すタイプがあります。

 

傷病者の胸部を確認する

 

 

胸部が濡れてないか確認

水や汗などで濡れているとパッドが密着しません。(タオルで拭き取る)

 

付けてない確認

貼り薬(ニトロ・シップ等)がパッド貼り付け箇所にあれば、確実にはがして薬剤も拭き取ります。

 

ペースメーカー確認

心臓ペースメーカーや除細動器が埋め込まれている場合は、胸に硬いこぶのような出っ張りが見えます。

貼り付け部位にこの出っ張りがある場合は、電極パッドは出っ張りを避けて貼り付けてください。

 

 

電極パッドを貼り付ける

右胸と左わき腹それぞれに貼り付けます。

(※未就学児(およそ6歳未満)に対しては、小児用パッド・小児用モードがあればそちらを使い、無い場合などやむを得ない場合は成人用パッドを使用します。

その際パッド同士が触れ合わないように、胸と背中に貼るなどしてください。)

 

 

AEDが電気ショックが必要かどうかを判断する

 

AEDが自動的に心電図を解析して、「心電図を解析しています。触れないで下さい。」と音声ガイダンスが流れます。

 

このアナウンスを聞いたら胸骨圧迫を中断して傷病者に触らないように離れます。

 

 

電気ショックのボタンを押す(必要な場合)

電気ショックが必要な場合、AEDから「電気ショックが必要です。点滅しているボタンを押して下さい。」などの音声ガイダンスが流れます。

 

それに従い電気ショックボタンを押します

この時、電気ショックが不要であれば「電気ショックは不要です。」と音声がでますのでその場合は直ちに胸骨圧迫を再開します。

 

 

すぐに胸骨圧迫を再開する

電気ショックを行った後、または電気ショックが不要とアナウンスされた後はどちらの場合も、すぐに胸骨圧迫を再開します。

 

 

 

AED使用の際のポイント


AEDを使用する際、一度貼った電極パッドは救急隊が到着するまで剥がさないようにして下さい。

電気ショックが不要といわれたり、傷病者が意識を取り戻した場合でも、万が一再度意識を失いAEDを使用することになる可能性があるので救急隊員に引き継ぐまで貼ったままにします。

なお、傷病者が意識を取り戻した場合は、胸骨圧迫は中止します。

 

 

 

 

気道確保と人工呼吸

 

救命講習などで気道確保と人工呼吸を習った経験があり、実践できるスキルのある人は、30回の胸骨圧迫の後、人工呼吸を2回行います。

意識のない傷病者は体の筋肉が弛緩しているために舌で気道がふさがれている状態になっています。

人工呼吸をする前にはまず、気道確保をする必要があります。

 

気道確保をしたら、人工呼吸は1回1秒とし、空気が漏れないように口を大きく開けて、傷病者の鼻をつまみ、口対口で行います。

胸の上がりが確認できるぐらいまで息を吹き込みます。

特に小児の心停止においては、胸骨圧迫と人工呼吸を組み合わせた心肺蘇生を行うことが望ましいです。

 

 

 

胸骨圧迫(と人工呼吸)とAEDの繰り返しと観察


 

救急隊員が到着するまで、胸骨圧迫と人工呼吸、そしてAEDの使用を繰り返します。

30回胸骨圧迫、2回人工呼吸の割合で続けます。

2分ごとにAEDが心電図を解析しますので、AEDのガイダンスに従い、解析に入ったら離れ、必要があれば電気ショックを行い、すぐに胸骨圧迫を再開します。

 

意識が戻り正常な呼吸に戻った場合や呼びかけに応じるなどのしぐさが出ない限りは心肺蘇生を中断してはいけません。

 

意識が戻った場合は、傷病者を観察しながら救急車を待ちます。

 

救急隊到着後の流れについてはこちらの記事をご覧ください。

 

119番通報をした後どうしたらよいのかを徹底解説

 

 

訓練を受けている場合は傷病者を回復体位にし、救急車の到着を待ちます。

観察を続けるなかで、正常な呼吸ではないと判断した場合は、再度、心肺蘇生とAEDの使用を行います。

心肺蘇生法の手順に関しては日本赤十字社の動画がありますので、こちらあわせてもご覧ください。

 

 

 

最後に 日本赤十字社の一次救命処置(BLS)~心肺蘇生法とAED~