【15分間の奇跡 先生の救命リレー】命を救った連係プレーを勝手に解説

15分間の奇跡






出典  https://youtu.be/a7IHcvEzRn8



2020年9月24日宮崎市立江南小学校で心肺停止に陥った男児の命を先生6人の連携プレーが救いました。


救急隊に男児が引き継がれるまでの15分間の命のリレーを9分半のドキュメントにした動画を見ると、

先生6人の連係プレーは奇跡ではなく、日ごろからのしっかりした準備の賜物だということがわかります。


【ドキュメント動画】15分間の奇跡 先生の救命リレー:朝日新聞デジタル (asahi.com)を元に解説していきたいと思います。




15分間の奇跡 先生たちの救命リレー



2020年9月24日、午後0時25分ごろ心臓に疾患を抱えていた男児生徒が、給食の食器を片付けている時に突然倒れ、心臓停止状態になってしまいました。


突然倒れた児童に、担任の別府先生が「大丈夫!?」と声をかけますが、児童の反応はなく、顔色も悪く、呼吸もゼイゼイハアハアしていたところから、緊急事態だと感じた先生は大声で助けを呼びました。



「誰か!」「田上先生AED」この声を聞いた先生たちが、119番通報、胸骨圧迫、AED等連携を取り、児童の意識が戻り救急隊に引き渡しました。


その間約15分間の救助劇です。




6人の先生それぞれの役割


6人の先生たちはどのような動きをとったのでしょうか?見ていきましょう


別府先生(6-3倒れた男児の担任)男児の意識を確認し、助けを呼ぶ
久木元先生(6-1担任)初めに駆け付ける
田上先生(特別支援クラス講師)以前心臓マッサージ経験あり
黒木先生(6-2担任)AEDを取りに行く
隈本先生(特別支援クラス講師)AEDを児童に貼る
吉瀬先生(養護教諭)4年前に赴任以来心肺蘇生のシミュレーション訓練を実施



先生1回目電気ショック2回目解析
別府先生意識確認

横向きにする 
助けを呼ぶ
久木元先生6-3へ 行く  田上先生から携帯を受け取る救急隊へ連絡
田上先生AED!の声で
119連絡
6-3へ行く
胸骨圧迫開始
電気ショック後胸骨圧迫胸骨圧迫   再開
黒木先生6-3 へ 行く1階へAEDを取りに行く隈本先生へ
AEDを渡す
隈本先生6-3へ行くAEDを受け取るAEDのパッドを貼るAEDの操作
吉瀬先生パルスオキシメーターと血圧計を持ち6-3へ名前を呼び続ける
クラスメイト職員室へ連絡静かに他の教室へ移動




2回目の解析「ショックの必要がありません」の後胸骨圧迫を再開すると、男児から一筋の涙がこぼれる。

その後、救急隊へ引継ぎ、男児は後遺症もなく元気に学校に通っています。






15分間の奇跡のポイント


担任の別府先生が「少しでも判断が遅れていたらこんな日常はなかった」と振り返る6人の連携にはいくつかのポイントがありました。


先生たちの行動のポイント


シミュレーションを行うことで、冷静に行動をとることが出来ます。


例えば、胸骨圧迫を行った田上先生は、サーフィンをしていた知人がおぼれて心肺停止になる状況に居合わせ、その際も心臓マッサージをしたという経験があったそうです。

冷静になることを心がけ、救急隊への連絡を久木元先生に任せて心臓マッサージに専念する判断ができたと語っています。



また、

・携帯を持って行った田上先生が先にいた久木元先生へ携帯を渡す。

・誰かの声で6-3へ向かった黒木先生は、田上先生が胸骨圧迫を行っているのを見て、自分は3階から1階にあるAED取りに行く。

・3階から1階にAEDを取りに行き、3階へAEDを届けに行って疲れているであろう黒木先生からAEDを受け取り、隈本先生がAEDを使った。

・クラスメートが職員室へ連絡した。

・クラスメートが6-3から他の教室へ移動した。

など様々なポイントがありました。


その中でも最大のポイントがあります。




最大のポイント


この連携の最大のポイントは、事前の訓練です。

4年前に養護教諭の吉瀬先生が赴任した際、男児が心臓に疾患を抱えているという引継ぎを受けていたそうです。


この引き継ぎを元に、学校で行われる心肺蘇生法の訓練では、ありきたりの訓練ではなく、心停止を起こしやすい児童がいるということを前提にシミュレーション訓練を行っていました。

シミュレーション訓練では、男児が授業中に心臓発作を起こしたという設定で、担任の別府先生が異変を知らせ、教員たちが一人一役で119番通報やAEDの操作、他の児童の誘導という内容となっていたそうです。


どういう風に連絡をしていくのか、どういう風なパターンの時にどういう風に動かなければいけないのか救命の連鎖を含めて準備をしてきたというのが最大のポイントであると減らせ突然死プロジェクト実行委員の本間医師も語っています。




15分間の奇跡を起こすための役割分担



宮崎市立江南小学校の先生たちのような連携には役割分担を把握しておくことが重要です。


人が倒れていたら、まず周りの安全を確認して、倒れている人に近づき全身を確認します。

傷病者の意識を確認して、意識が無ければ119番通報とAEDの要請をします。


呼吸を確認して、普段通りの呼吸が無ければ心臓マッサージをします。


AEDが到着したらAEDを持ってきてくれた人に心肺蘇生法を交代してもらいAEDを使います。

医師や救急車が到着するまでの間に、どんな対応ができたかが、病気やケガの経過に左右します。


しかし、助けている人とAEDを使用している人以外はどうしたらよいのでしょう?

119番通報してあれば、できることはもうないと考えてしまう方も多いのではないでしょうか?

実はAEDや119番通報以外にも、助けるために行えることがあります。




119番通報以外にもできること



ここでは3人集まったとして説明をします。


・Aさん(第一発見者もしくは最初に救助にあたった人)


・Bさん(AEDの依頼を受けた人)


・Cさん(119番通報の依頼を受けた人)




Aさん・・・

心肺蘇生法、止血等の手当

傷病者の観察、声かけ

脈や呼吸、顔色などの チェック

必要機材などの要請、指示



Bさん・・・

AEDのセット、心肺蘇生法を交代する

傷病者の観察、声かけ

脈、呼吸、顔色などのチェック




Cさん・・・

119番通報をしてからの状況メモ手当の補助毛布やパーティションを使用して傷病者を見せないようにするなど周りの人を落ち着かせる

二次事故の防止

生徒やお客さんなどを避難させる

救急隊の誘導





他にも

傷病者の保険証や診察券の準備

普段飲んでいる薬やお薬手帳の準備荷物の準備靴、上着などの準備

傷病者の個人情報の収集家族への連絡

他に責任者、管理者がいる場合の連絡


ご家族が到着していないときはいずれかの人が救急車に同乗することになります。

ざっとあげるだけでもこれだけあります。

また、手当をしている側は心身ともに疲れますので、手当を交代することでより確実に傷病者を助けることにつながります。








最後に


この出来事を受け、宮崎市立江南小学校では卒業を控えている6年生を対象に心肺蘇生法の知識を教える授業を予定しているそうです。


素晴らしい先生たちの勇気と日ごろからの準備で将来、人が倒れていても助けることが出来る人を育てるとても素晴らしい試みです。




ありきたりの訓練ではなく、心停止を起こしやすい児童がいるということを前提にシミュレーション訓練

心肺蘇生法の知識を教える授業



これらの働きが全国に広がることを願っています。

一般市民のためのコロナ対策の心肺蘇生法 徹底解説

新型コロナ対策 心肺蘇生法




出典 https://blog.bls.yokohama/archives/7047.html



もしも道を歩いて人が倒れていたらあなたはどうしますか?

119番通報をした後、救急車が来るまでのわずかな間に応急処置ができるかどうかで命が助かるかどうかも変わってきます。




当サイトでもこれまで、応急手当の知識や心肺蘇生法の方法をご紹介してきました。



しかし、新型コロナウイルス感染拡大が深刻化している昨今、道端で人が倒れても手出しをしないほうがいい、というニュースなどを目にするようになりました。



もともと救護活動は心的外傷の問題等リスクがある行為です。


さらにコロナの影響で飛沫感染のリスクが増えました。



今後は感染のリスクヘッジをした上で、いかに救護活動できるかポイントとなってきます。



そんな中、アメリカ心臓協会 AHA がCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)感染対策を盛り込んだ一般市民向け心肺蘇生法の方法を発表しましたので、ご紹介します。




次の表のフローチャートはアメリカ心臓協会 AHAが医療従事者等に向けBLS横浜が翻訳したものたものです。

流れとして参考にしてください。

出典

https://blog.bls.yokohama/wp-content/uploads/2020/04/covid-19-bls-algorithm.pdf




人が倒れていたらコロナウィルスかもしれないけどどうしたらよいか?

コロナウイルス感染が怖いから倒れている人には近づきたくない。

そのように考えるのは当然だと思います。


しかし、すぐに逃げるのではなく、意識状態と呼吸状態を分かる範囲で確認して、反応がなかったり、普段通りの呼吸をしていないのであれば119番通報することが重要です。





コロナウィルスに感染者への心臓マッサージで飛沫が拡散する可能性がある


コロナ対策の心肺蘇生法と従来の心肺蘇生法で最も変わった点は、


救助者の口と鼻をマスクや布などでカバーする 

傷病者の口と鼻をマスクや布なのでカバーする

の2点です。

心臓マッサージするだけでも口・鼻から呼気が漏れ出て、飛沫となったウイルスが拡散する可能性があるため、胸骨圧迫時に肺から押し出された呼気によって空気中にウィルスが飛散することに備えることが目的です。


つまり、コロナ対策の心肺蘇生法のポイントは、救助者地震がマスクをするだけでなく、胸を押し始める前に、傷病者の口と鼻をハンカチやタオルなどでカバーしてくださいということです。







コロナ対策の心肺蘇生法は心臓マッサージ(胸骨圧迫)のみを行う



医療従事者であっても、バッグマスクがない、もしくはバッグマスク換気ができない場合は、成人傷病者には人工呼吸はしない、というのが基本方針です。




バッグマスク

バックバルブマスク

出典 https://nursepress.jp/227035




そのため、心肺蘇生法は心臓マッサージのみ、胸の中央を強く早く1分間に100-120回の速さで押します。

心臓マッサージをする際、この段階では素肌を露出させず、服の上からだいたい胸の真ん中あたりに手の付け根を当てましょう。



また、心臓マッサージを終えた後は、手を石鹸で洗い、消毒をすることも重要となってきます。





AEDが到着してからの注意点(コロナ対応)



コロナ対応ではない従来の心肺蘇生法同様、AEDが届いたら直ちにAEDを使用します。



AEDが到着したら胸部の素肌を露出させパッドを貼る必要がありますが、そのときもなるべく素肌に触れないように、まずはAEDケースの中に感染防護手袋が入っていないかを確認して、手袋装着を優先しましょう。






子どもの救命には人工呼吸が重要


バッグマスクがない場合等、成人傷病者には人工呼吸はしないという方針に対して、呼吸が原因で心停止が起こる可能性が高い子どもの救命の上では人工呼吸は欠かせません。



出典 https://blog.bls.yokohama/archives/7165.html


子ども用と成人用のコロナ対策の心肺蘇生法で最も大きな違いは、胸骨圧迫(心臓マッサージ)と呼気吹込み人工呼吸で心肺蘇生を行う(あなたにその意志があり、可能であれば)と明記してあることです。


子どもが倒れている場合、対応する可能性が高いのは親や家族が想定されます。


そのため、“あなたにその意志があり、可能であれば”ということは、助けたいという意思はあったとしても人工呼吸が可能かどうか、つまりポケットマスクやバッグマスクなどの感染防護機能が実証された人工呼吸器具を備えているかということが重要になってきます。









最後に


コロナ対応の心肺蘇生法についてご紹介しましたが、備えが十分でない場合は無理をする必要はありません。



まずは、自分の安全を確保し、119番通報することが重要です。


また、新型コロナ関連ニュースは情報が日々刷新されていきますので、今回ご紹介した手順もこの先変更等が出てくる可能性があります。