怪我をした、目の前で倒れた人がいた。
こんな時に役立つのが応急手当です。
いざ怪我をした人を目の前にすると、慌ててしまい手当を忘れてしまった、なんてこともあります。
そんなときに役に立つのが語呂合わせです。
以前、いざというときに役立つ応急手当で使える簡単な語呂合わせをいくつかご紹介しましたが、好評でしたので第二弾をお届けします。
第二弾の今回は、少し難易度高めですが、万が一の時に役立つものばかりをご紹介します。
はじめに
語呂合わせを使うによって注意点があります。
代表的な語呂合わせである『いいくに作ろう鎌倉幕府』
1192年つくろう鎌倉幕府で覚えていたものが、今はいいはこ(1185年)つくろう鎌倉幕府にかわっています。
特に医療の知識は日進月歩で常にすすんでいます。
知識の変化とともに、語呂も変わっていくかもしれません。
語呂合わせで覚えやすいため、医療の知識が変わった際に昔の対処法にならないようにしておく必要があります。
応急手当の語呂合わせ
今回は
熱中症になった時の応急手当
意識障害の原因
心肺蘇生法の流れ(人工呼吸あり)
コロナ渦における心肺蘇生法の流れ
救急隊に引き継ぐ際に聞かれること
以上の語呂合わせをご紹介します。
熱中症になった時の応急手当
熱中症には様々な症状が見られます。
気温や湿度が高い環境のなかで、立ちくらみ、筋肉のこむら返り、体に力が入らない、ぐったりする、呼びかけへの反応がおかしい、けいれんがある、まっすぐに走れない・歩けない、体が熱いなどの症状がみられたときには、すぐに熱中症が疑われます。
熱中症の初期症状であるめまいや立ちくらみ、一時的な失神などの熱失神を生じたときには、
①クーラーが効いた部屋や涼しい日陰で休ませ、
②衣服を緩めて風通しをよくし
③首やワキに濡れタオルなどをはさんだり、
④ひどい時は体に水をかけて冷やすようにしましょう。
しばらく様子を見て、症状が改善しないような場合には、医療機関を受診するのがよいでしょう。
この熱中症の応急手当の覚え方がFIREです。
Fluid(水分)・・水や塩分の補充
Ice(冷却)・・霧吹きなどで水をかける、団扇などで扇ぐ、冷えたアイスパックなどで首筋・わきの下を冷やす
Rest(休む)・・涼しい、風通しの良い場所で休む
Emergency(119番通報)・・脈、呼吸、意識状態の異常があれば119番通報をする
意識障害の原因
意識障害とは、周囲のことや自分のこと、時間的なことについて判断できなくなった状態です。
瞬間的に意識が飛んだり、短時間の意識消失の失神から、正常な反応ができなくなる昏迷、放っておくと寝てしまう傾眠、長く意識が回復しない昏睡までさまざまな状態があります。
意識障害の原因は多岐に渡りますが、代表的な原因の覚え方があります。
意識障害の鑑別に関してはAIUEOTIPS(アイウエオチップス)というものがありますが、英語の頭文字になるので覚えづらいという方も多いと思いますが、AIUEOTIPSの日本版があります。
それがまずい、意識に障害、試して酸素です。
(ま:麻薬)薬物・毒物中毒
(ずい:髄膜炎)脳炎・髄膜炎,脳症
(い:インスリン)低血糖・高血糖
(し:失神)失神
(き:胸部大動脈解離)
(に:尿毒症,腎不全,電解質異常,薬物代謝異常)
(しょ:消化管)消化器・内分泌疾患
(う:うつ)精神疾患
(が:外傷)頭部外傷
(い:飲酒)アルコール
(た:体温異常)体温異常
(め:めまい)めまい
(し:心筋梗塞)急性冠症候群
(て:てんかん)痙攣
(さん:酸素)低酸素症
(そ:卒中)脳卒中(脳血管障害)
参考 救急・ERノート
レジデントノート別冊 まずい!から始める意識障害の初期診療
この語呂合わせは救急隊や看護師向けです。
一般的には、意識がはっきりしない時点で救急車を呼びましょう。
心肺蘇生法の流れ(人工呼吸あり)
反応を確認し、119番通報したら呼吸を確認します。
呼吸がなければ、心臓マッサージ30回、気道確保をして、人工呼吸2回を繰り返し行います。
心肺蘇生法の流れをドレミの歌にのせて覚えることが出来ます。
ドは、どうしましたかの、ド
レは、連絡しようの、レ
ミは、見て聞いて感じての、ミ
ファは、ふぁーっと人工呼吸
ソは、 そーっと確認、息・咳・動き
ラは、ランドマークで位置決めだぁ
シは、心臓マッサージ30(心臓マッサージ)対2(人工呼吸)
ドは、除細動 (ど(じょ)・さ・い・ど・う)
引用元 近畿大学医学部救急救命センター
新型コロナウィルスが流行していたら子供には人工呼吸を行いますが、成人には人工呼吸は行いません。
次に、コロナ渦における心肺蘇生法のドレミの歌での覚え方をご紹介します。
コロナ渦における心肺蘇生法の流れ
コロナ対策の心肺蘇生法と従来の心肺蘇生法で最も変わった点は、
救助者の口と鼻をマスクや布などでカバーする
傷病者の口と鼻をマスクや布なのでカバーする
の2点です。
心臓マッサージするだけでも口・鼻から呼気が漏れ出て、飛沫となったウイルスが拡散する可能性があるため、胸骨圧迫時に肺から押し出された呼気によって空気中にウィルスが飛散することに備えることが目的です。
つまり、コロナ対策の心肺蘇生法のポイントは、救助者地震がマスクをするだけでなく、胸を押し始める前に、傷病者の口と鼻をハンカチやタオルなどでカバーしてくださいということです。
この流れもドレミの歌で覚えることが出来ます。
ドは、どうしたの(意識の確認)
レは、連絡しよう119番
ミは、みんなを呼ぼう大声で
ファは、first timeで呼吸確認
ソは、 ソーっとかぶせるハンカチ・タオル
ラは、right(正確)な圧迫、胸の真ん中!
シは、心臓マッサージリズムよく
ドは、ドンとすばやくAED
引用元 金沢市消防局 コロナ渦における心肺蘇生法
コロナ対応の心肺蘇生法についてご紹介しましたが、備えが十分でない場合は無理をする必要はありません。
まずは、自分の安全を確保し、119番通報することが重要です。
救急隊に引き継ぐ際に聞かれること
119番をして救急車到着後、救急隊に引き継ぐ必要があります。
気が動転しているかもしれない中で、救急者を呼んだ後に、矢継ぎ早に救急車を呼んだ経緯や病歴、食べたものなどを聞かれます。
家族のために救急車を呼んだのであれば当然わかっているはずの内容ですが、気が動転している時に聞かれた場合、準備していないとすぐには答えることができないかもしれません。
そんな時に便利な語呂合わせがGUMBAです。
G:原因
U:訴え
M:めし
B:病気(既往歴)
A:アレルギー
GUMBAに関してはこちらの記事で詳しく紹介していますのでご覧ください。
最後に
今回の第二弾は、少し難しい語呂合わせもありますが覚えておくことで必ず役に立つものばかりなのでぜひ繰り返して覚えてください。
第一弾はこちらをご覧ください。