AEDを使用したことはありますか?
実際に使用されたことはなくても、講習を受けたり、駅や学校などにも置いてあることから、見たことはある方が多いはずです。
AEDを見たことはあるけど、詳しくは知らないという方には共通の勘違いがあります。
その勘違いを学ぶことが、AEDとはどういうものかを理解につながります。
目次
AEDとは
AED(エーイーディー)は Automated External Defibrillator の頭文字で、日本語では自動体外式除細動器といいます。
心電図解析装置を内蔵しており、電極パッドを傷病者に貼ると自動で心電図を解析し、除細動(電気ショック)が必要かどうかを判断します。
病院を舞台にしたテレビドラマで、心電図がピーと横線なってしまった時に医師が「ドンッ」と電気ショックを行って心拍を取り戻す機器をAEDだと思われてる方がいます。
そちらは医師が使用するもので、ここでいうAEDはもっと小型で一般人が使用できるものを指します。
AEDの場所はこちらの日本全国AEDマップを参照してください。
AEDの使い方
AEDの使い方は簡単です。
AEDの電源を入れると音声ガイダンスが始まります。このガイダンスに従い使用します。
AEDの使い方の流れ
AEDの電源を入れる
フタを開けると電源が入るタイプ、電源ボタンを押すタイプがあります。
傷病者の胸部を確認する
胸部が濡れてないか確認
水や汗などで濡れているとパッドが密着しません。(タオルで拭き取る)
付けてない確認
貼り薬(ニトロ・シップ等)がパッド貼り付け箇所にあれば、確実にはがして薬剤も拭き取ります。
ペースメーカー確認
心臓ペースメーカーや除細動器が埋め込まれている場合は、胸に硬いこぶのような出っ張りが見えます。
貼り付け部位にこの出っ張りがある場合は、電極パッドは出っ張りを避けて貼り付けてください。
電極パッドを貼り付ける
右胸と左わき腹それぞれに貼り付けます。
(※未就学児(およそ6歳未満)に対しては、小児用パッド・小児用モードがあればそちらを使い、無い場合などやむを得ない場合は成人用パッドを使用します。
その際パッド同士が触れ合わないように、胸と背中に貼るなどしてください。)
AEDが電気ショックが必要かどうかを判断する
AEDが自動的に心電図を解析して、「心電図を解析しています。触れないで下さい。」と音声ガイダンスが流れます。
このアナウンスを聞いたら胸骨圧迫を中断して傷病者に触らないように離れます。
電気ショックのボタンを押す(必要な場合)
電気ショックが必要な場合、AEDから「電気ショックが必要です。点滅しているボタンを押して下さい。」などの音声ガイダンスが流れます。
それに従い電気ショックボタンを押します
この時、電気ショックが不要であれば、「電気ショックは不要です。」と音声がでますのでその場合は直ちに胸骨圧迫を再開します。
すぐに胸骨圧迫を再開する
電気ショックを行った後、または電気ショックが不要とアナウンスされた後はどちらの場合も、すぐに胸骨圧迫を再開します。
AED使用の際のポイント
AEDを使用する際、一度貼った電極パッドは救急隊が到着するまで剥がさないようにして下さい。
電気ショックが不要といわれたり、傷病者が意識を取り戻した場合でも、万が一再度意識を失いAEDを使用することになる可能性があるので救急隊員に引き継ぐまで貼ったままにします。
なお、傷病者が意識を取り戻した場合は、胸骨圧迫は中止します。
AEDと胸骨圧迫法の流れを心肺蘇生法といいますが、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
AEDにおける勘違い
AEDにおける勘違いとは、AEDはすべての心臓疾患に効果があるわけではないということです。
次の心電図の波形で心停止はどちらだと思いますか?
1——————–
2〰〰〰〰〰
どうでしょうか?
正解は2番になります。
1番は心静止、2番が心停止です。
2番は心臓は動いているのですが、心臓の機能、つまり、心臓がポンプの機能を果たして血液、酸素を脳や全身に送る機能、これが停止する。
心臓機能停止で心停止なのです。
この〰〰に心臓マッサージと言われる胸骨圧迫法を行っても、すでに動いているものにマッサージをしても正常なリズムになるのは難しいのです。
心臓の動きを正常に戻すには
心臓の動きを正常に戻す為にAEDが必要になります。
AEDは日本語訳、自動体外式除細動機、つまり細かい動きを除くとあります。どういうことでしょうか?
~~にAED→——-→心臓マッサージ
で正常な心臓の動きになるのです。
このAEDと心臓マッサージがセットであるというメカニズムを知っておくと良いと思います。
AEDは一種類ではない
これは実際にあった話なのですが、講習会義務があり、AEDの知識がある施設の近くで人が倒れたそうです。スタッフがAEDを持って、傷病者に使おうとしたところ
「習ったAEDと違う」
となり、救命ができなかったそうです。
医療機器は日々進化しています。自社で行う講習会では残念ながら設備が充分とはいえません。
形は違えど除細動機としての機能はかわりません。
・電源は押してつけるタイプか、AEDのふたを開けると自動的につくタイプがあります。
電源、ふたを開けるボタンどちらも分かりやすい場所にありますので、落ち着いて押しましょう。
電極パッドの剥がし方
よく講習会で、自分の手帳にシールを貼るような感覚で、横からパッドを剥がし貼る、また、貼り方が納得いかず、貼り直す方をよく見ます。
実際にそのような剥がし方をすると、1手に付きます2剥がれません、3パッドが付いた状態で予備のパッドを取り出して貼ります。4救急車到着後、一緒に救急車に乗り、救急隊か病院で特殊なジェルを使ってもらい、パッドを剥がします。
つまり、簡単に剥がれない。ということです。
毛布の上でAEDは使わない
AEDが作動しない原因として、1 体動がある 2 心臓が完全に止まっている。3AEDのバッテリー切れ、故障
が考えられますが、毛布の上では静電気で”体動があり”
とAEDが解析してしまうため、毛布の上では使わないということを頭にいれておきましょう。
これは、介護施設などでもよくあり、実際AEDメーカーに故障したという苦情がよくあるそうです。
AEDの解析はあくまでも動きが無い中での解析になりますので、揺れが激しい場所でも正確に解析しないこともあります。
AEDを置く位置と根拠
AEDは傷病者の 右上、右下、左上、左下
どこに置くのが一番適していると思いますか?
正解は右上です。
なぜAEDは右上に置くと良いかわかりますか?
右上に置く理由は、救急車両の右側に機械があるため、救急隊が右側、傷病者のご家族が右側に乗ります。
ご家族がパニックでAEDに触れないように右側、救急隊が顔色を確認できるように上側に置くというのが根拠になります。
使用したAEDはどうなるか
1度貼ったAEDは剥がしませんので、AEDは傷病者が医療機関に引き渡されるまではずれません。
後日、AEDが郵送されるケースが多いようです。
また、救急車両に乗った場合、帰りは当然送ってくれませんので、交通費は持っていくようにしましょう。
救急隊が到着した後の流れに関してはこちらの記事をご覧ください。
最後に
AEDは実際に使うケースは少ないかもしれません。
実際に、看護士も実際に7割の方が実際にAEDは使用したことがないというデータがあります。
誰もが人が目の前で倒れたら怖いめのですが、勇気を出すことで大切な命は助かります。
まずは講習会などで、周りの大切な人を救う知識を学んでみませんか?
また、下記の記事で簡単なクイズ形式で応急手当が学べるものがありますので併せてご覧ください。
不惑の応急手当広め隊
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