教育係だとしても、ちょっとしたアドバイスを求められた時だとしても、人に教えるということは確かに難しいことです。
その理由の一つとして、日本では仕事のコツやノウハウを代々受け継ぐ文化がありましたが時間をかけて伝えることが難しい世の中になってきているということです。
教育係だとしても、ちょっとしたアドバイスを求められた時だとしても、人に教えるということは確かに難しいことです。
その理由の一つとして、日本では仕事のコツやノウハウを代々受け継ぐ文化がありましたが時間をかけて伝えることが難しい世の中になってきているということです。
教える側の教えたいことと教わる側の教わりたいことの違いには2つの知識があります。
その2つの知識が形式知と暗黙知です。
普段何気なく行なっている動作
経験則
ノウハウ
身につけた技術
などが挙げられます。
熟練、ノウハウなどの行動スキルつまり経験則での勘や思い(信念)やメンタルモデル、視点と言った思考スキルなど、言葉などでは伝えることができない知識を暗黙知というのです。
料理人のゆで加減、味加減や営業マンのクロージングのタイミングなどが暗黙知として挙げられます。
日本では言葉で伝えるよりも見て覚えたり、体感して覚えることを大事にしています。
また料理人や職人も、そういう形で技術を伝承してきました。
一般的な仕事であっても、先輩や上司が持っている仕事のコツやカン、ノウハウなどを代々受け継ぐ文化がありました。
しかし、暗黙知を伝えるには、時間がかかります。
現在は組織のあり方が変わり、人員を削減や働き方改革など経営環境が著しく変化しています。
技術を長い時間をかけて伝えるのは効率的ではありません。
特に大きな企業ほど、たくさんの人数にいろんなことを学んでもらうためには、それでは遅いといえます。
また正社員だけでなく、派遣やアルバイトなど多様な雇用形態があります。
そんな人の入れ替わりが多いような環境で暗黙知を伝えるのは困難を極めるのです。
このように現在の社会環境において暗黙知を伝えることが難しくなっているのです。
技術やノウハウを伝えていくには、暗黙知を形式知に変えることが重要になります。
形式知にするためには言語化、図形化といった形にする必要があります。
暗黙知を言語化するには、日頃から考えることが大切です。
どうしたら、どんな言葉にすれば伝わるのかを考えることで、いずれ言語として形づけることができるようになります。
人はそれぞれ独自の暗黙知・形式知が蓄積されています。
つまり、言葉でうまく説明できる知識と、そうではない知識があります。
そのために、教える人・教わる人の相性やスキルのギャップにより、教える人・教わる人双方にストレスがかかるため、教えるだけで疲れるのです。
教える人は相手の現状のレベルに応じて、形式知と暗黙知どちらを教えるか状況に応じて選ばなければいけません。
相手が新人さんだと基礎が理解できていない段階でマニュアルに無いことばかり伝えてもなかなか理解できないはずです。
教える人は自分ができるやり方を伝えているのになぜできないのだろうとストレスになりますし、教わる人も「この人の教え方はわかりづらい」となってしまい、当然双方が疲れる原因となります。
教える人は、自分だけが解る説明つまり、暗黙知で教えていないか確認しながら教えるようにしましょう。
こちらは逆に、教わる側がノウハウ・コツばかりを知ろうとするパターンです。
このパターンは教える人は基本を教えようとするのですが、教わる人はコツやノウハウで楽をしようと考えているのでこちらも双方が疲れる原因となります。
教える人はマニュアルだけでなく、たまに自身の経験である暗黙知を交えながら伝えると良いでしょう。
知識には形式知と暗黙知の2つがありますが、どちらが悪いという訳ではありません。
教える人は相手がどのレベルにいるかを考え形式知と暗黙知の割合を工夫することで”教えることが疲れる”という状態が徐々に減っていくはずです。
そのためには日ごろからのコミュニケーションが重要になってきます。
コミュニケーション能力に関してはこちらの記事をご覧ください。