出典 災害医療
先日、救急車は頼れない、重傷者が優先 災害医療の現実という記事を見ました。
概要としては、一般人が知っておきたい災害医療の心得として4つの心得が紹介されていました。
その4つの心得とは
【心得1】災害の発生直後、救急車などの公助は頼れない
【心得2】限られた医療資源で最大多数の命を救うには「トリアージ」が必要
【心得3】遠方に搬送されることもあり得る
【心得4】災害時の診療は救護所で
というものです。
つまり、重要なことは
いつ、どこで、襲われるかわからない震災や災害時に災害医療とはどのようなものを理解すること。
尊い命を救い、被害を少しでも小さくするために大きな力となるのは自分の身は自分で守り、家族や地域で助け合うこと。
そのために、今できること、しなければならないことを見てみましょう。
目次
災害被害を少なくするのは「自助」と「共助」
【心得1】災害の発生直後、救急車などの公助は頼れないにあるように、多数の傷病者が発生する災害発生直後は、公助(DMATや救急車などの公的機関で提供される援助)の対応能力をはるかに超えることが予想されます。
自分の身は自分で守る「自助」、地域や身近にいる人同士が助け合う「共助」こそが、災害による被害を少なくするための大きな力となります。
しかし、一番重要なことは身の回りの人を助けるには、まず自分が無事でなければならず、「自助」あっての「共助」ということです。
すぐにできる自助努力
普段から、自分でできること、家族でできること、ご近所と力を合わせてできることなどについて考え、災害に備えておくことが大切なのです。
ここでは自分や家庭でできることをご紹介します。
防災マップをチェックする
防災マップとは、大地震、津波、洪水などの自然災害が発生した場合の被害の様子や、避難・救援活動に必要な情報が掲載されている地図のことです。
自宅はもちろん、学校や職場の近く、通勤通学途中にある避難所を、で確認しておきましょう。
防災マップは、各自治体のホームページにも掲載されています。
部屋の地震対策を行う
大地震では、テレビが飛び、タンスが自分の上に倒れかかってきます。
分離防止、転倒防止のための家具やテレビの固定やハリや柱が丈夫な位置への移動とともに、安全な場所で寝るなどの対策が重要です。
また、窓ガラスや食器は、鋭い破片を床一面に広げ、素足で歩ける状態ではなくなります。
スリッパやズック靴など、いつでも使えるように置いておきましょう。
常備しておくと便利なもの
速やかに屋外へ避難するために、履きやすく脱げにくいひもなしのズック靴、雨や防寒のためのレインウエア、ガラスや瓦礫をかき分ける革手袋、LEDのヘッドライトなどを用意しておきましょう
情報発信の方法
万一、被災した場合は、家族や知人に向けて、真っ先に自分から安否の情報を発信することが大切です。
安否確認には、災害用伝言ダイヤル171などのサービスを活用しましょう。
そのほか、ケータイ災害用伝言板サービスや、WEB171災害用ブロードバンド伝言板などもあります。
また、災害発生時には、被災地の外から被災地に向けては電話をしないようにし、無事の知らせは「被災地の外側」でリレーで伝えましょう。
災害医療とは
災害時には学校や病院、自治体の建物といった身近な場所に医療救護所が設営されます。
そこでは、少しでも多くの人を助けるためにトリアージ(一人でも多くの傷病者に対して最善の治療を行うため、傷病者の緊急度に応じて、搬送や治療の優先順位を決めることをいいます。)が実施され、傷病者を重症者、中等症者、軽症者に分けて対応を行います。
出典 http://www.asahi.com/special/saigaishi/saigaiiryou/
トリアージは医療従事者が行いますが、災害時には人手が足りなくなるため、トリアージの手伝いとして、各種連絡、トリアージタッグへの記載、呼吸の確認、意識状態の観察、応急手当、搬送などは十分に考えられます。
呼吸の確認など、心肺蘇生法に関してはこちらの記事をご覧ください。
災害医療の基本原則
災害医療の基本原則はCSCATTTです。
CSCATTTとは災害時に体系的に医療対応する際に留意するべき重要事項の頭文字を並べたものです。
C:command and control(指揮統制)
S:safety(安全)
C:communication(情報伝達)
A:assessment(評価)
T:triage(トリアージ)
T:treatmennt(治療)
T:trannsport(搬送)
災害時に関わる全ての組織の共通認識、共通言語となるべく普及していますので是非覚えてください。
一般市民が行える災害医療の手伝い
繰り返しになりますが、災害時は医療従事者の人手不足の問題が出ます。
その時に各種連絡、トリアージタッグへの記載、呼吸の確認、意識状態の観察、応急手当、搬送など災害医療の手伝いをすることも考えられます。
そのためには事前に準備をし、講習などを受講することをお勧めします。
また、災害医療では/災害時を想定した医療救護訓練を円滑に進めるためのマニュアルや初めての 市民向け教科書「災害医療ガイドライン」やマルチメディア化したスマホアプリ 「災害医療タッチ」を利用することができますので、ぜひ活用してください。
搬送について
搬送に関しては災害医療にわかりやすいスライドがありますので参考にしてください。
出典 災害医療
最後に
今回災害医療に関してご紹介しましたが、一番重要なことは身の回りの人を助けるには、まず自分が無事でなければならず、「自助」あっての「共助」ということです。
また、日ごろから準備をしておくことで被害を最小限に抑えることができます。
怪我などの応急手当に関してはこちらの記事をご覧ください
不惑の応急手当広め隊
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