救急車が到着する前に意識が戻ったらどうしたらよい? 回復体位って知ってますか?





出典 http://www.disaster-medutainment.jp/


倒れているひとを発見し、意識を確認したところ意識が無いので119番通報をしました。救急車が到着する前に意識が戻りました。

こんな時あなたなら      


       

1 救急車をキャンセルする 

2 傷病者の様子を見ながら救急隊の到着を待つ


どちらを選びますか?




正解は当然2番です




いつ、再び具合が悪くなるかわからないので、本人が嫌がっても救急隊を待ちましょう。

では、どのようにして待てば良いのでしょうか?










一番楽な姿勢をとらせる



119番通報をする時、傷病者の意識がはっきりしているか全く無いかの二択とは限りません。


途中で意識が回復する意識はあるけどぐったりしている、意識はないが呼吸はしっかりとしているなど様々な状態であるはずなので、傷病者が一番楽な姿勢をとらせましょう。

ただ、具合の悪い人に「楽な姿勢をとってください」といっても、どの体勢もきついと思いますので、どの体勢が楽に感じるのかある程度は伝えてあげるとよいでしょう。






それぞれの状態に適した体制



まず、傷病者にとって楽な姿勢というのは、呼吸や血液の循環を維持して、苦痛を和らげ、悪化を防ぐことを目的としています。

では実際にどんな症状の時に、どのような姿勢で救急隊を待てばよいのでしょうか?

それぞれの状態に適した体制をご紹介します。


※今回の動画は災害医療http://www.disaster-medutainment.jp/
より












意識がもうろうとしている人(回復体位)



気道を確保していることから、窒息防止に有効であるため、

意識はないが呼吸はある人、意識がもうろうとしている人、心臓マッサージなどにより息を吹き返したばかりの人にも適しています。


吐いた物を口の中から取り除きやすいのでアルコール中毒者や嘔吐している人に適しています。


出典 https://www.youtube.com/watch?v=mFhOdY9ot14






回復体位のとらせかた



1 傷病者を横向きに寝かせ、腕を横に伸ばします。









2 下あごを前に出して気道を確保し、両肘を曲げ上側の手の甲を顔の下に入れます。







3 上側の膝を約90度曲げ、後ろに倒れないようにする体位です。












傷病の原因がわからない人(仰向けの体位)



最も自然な体位であり、全身の筋肉に緊張を与えない自然な姿勢です。

心臓マッサージを行う際はこの姿勢にしてから行います。







出典 https://www.youtube.com/watch?v=nhwUeEPZOs8









仰向けの体位のとらせ方



うつぶせで倒れている人を仰向けにする方法です。



1 傷病者の一方の腕をまっすぐに伸ばします







2 一方の手で傷病者の後頭部を支え、もう一方の手を傷病者の脇下に入れます。










3 後ろに下がりながら傷病者の身体を反転させます。












貧血・顔色が青い人(ショック体位)



あお向けで足側を高くした体位で、足を高くすることにより、貧血や、出血性ショックの傷病者に適しています。
















ショック体位のとらせ方



1 毛布を15~30㎝の高さに畳みます。

毛布が足りない場合は毛布の下に旅行用カバンなど厚みのあるものを入れましょう






2 両手で傷病者の足を持ち上げます。






3 毛布を引き寄せ、傷病者の足をのせます。











その他の体位



上記以外にも、呼吸や、循環機能を維持や苦痛を和らげ、症状の悪化を防ぐのに有効な体位はありますのでご紹介します。












膝屈曲位(しつくっきょくい) 



あおむけの姿勢で毛布などで頭と膝を上げた体位です。



出典 https://www.city.kitakyushu.lg.jp/shoubou/file_0005.html



腹部の緊張と痛みを和らげるので、腹部の外傷や腹痛の時はベルトなどゆるめてから、この姿勢をとるとよいでしょう。







腹臥位(ふくがい)



腹ばいで顔を横に向けた体位です。

背中をけがしている時にとらせるとよい姿勢ですが、腹部が刺激される他、窒息を起こしやすいので常に目を離さずに見ている必要があります。







半坐位(はんざい)



上体を軽く起こした体位です。


出典 https://www.city.kitakyushu.lg.jp/shoubou/file_0005.html

横隔膜が下がり、呼吸面積が広がることにより、呼吸がしやすくなるためと、肺のうっ血状態が軽減されるため胸や呼吸の苦しい傷病者に適しています。


また、頭にけがをしている場合や、脳血管障害の場合に適しています。








坐位(ざい)



座った状態の体位です。

出典 https://www.city.kitakyushu.lg.jp/shoubou/file_0005.html


半坐位と同じように、横隔膜が下がり、呼吸面積が広がることにより、吸がしやすくなるためと、肺のうっ血状態が軽減されるため胸や呼吸の苦しい傷病者に適しています。










最後に



119番通報をした後に、意識はないが呼吸はある人、意識がもうろうとしている人、心臓マッサージなどにより息を吹き返したばかりの人など回復体位は是非覚えておいてほしい体位です。



下記の記事では119番通報をした後に準備しておきたいことをご紹介していますのであわせてご覧ください。


今回ご紹介したように、症状によって異なる体位がありますが、とても役立ちます。


回復体位以外でもショック体位は足のむくみをとるのにも適しています、ぜひそれぞれの体位にする理由とあわせて覚えておいておきましょう。




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