心肺蘇生法とAEDを学校授業で行うために必要なこと



年間7万3千件以上、突然の心停止が発生しており、そのうち2万3千件以上が一般市民の目の前で起こっています

院外心停止の救命率向上のカギを握っているのが、心肺蘇生法とAEDの普及です。



心肺蘇生法とAEDは各消防署で開催される救命講習赤十字社で開催される救急法で学ぶことができます。



しかし、まだまだ心肺蘇生法とAEDの普及は充分とは言えません。



そんな中、小中学校で授業の一貫として心肺蘇生法とAEDの授業を行う働きが起きています。


その中でも埼玉県のさいたま市では市内のすべての小中学校で、国語やその他の授業同様に、命の授業として、心肺蘇生法を学んでいます。


そこで今回はさいたま市での取り組みASUKAモデルのご紹介と学校で心肺蘇生法の授業をを行うために役立つツール・サイトをご紹介します。





さいたま市の取り組み


2011年9月、さいたま市の小学校で6年生の桐田明日香さんが駅伝の課外練習中に倒れ、死亡するという事故がありました。


検証の結果、明日香さんが倒れた直後に「けいれん」や死戦期呼吸と呼ばれる「ゆっくりとあえぐような呼吸」があったために、教師らは心臓が止まっているとは思わずに、校内にあったAEDを使わなかったことがわかりました。



出典 https://youtu.be/ejXCS144BZk


埼玉県さいたま市では、学校の授業中に運動後突然死した桐田明日香さんの事案を受けて、ASUKAモデルを作成しました。

http://www.city.saitama.jp/003/002/013/002/p019665.html




ASUKAモデルとは


この「ASUKAモデル」は重大事故が発生した際 の対応方法だけでなく、日常における準備や事故 防止対策に関する内容があります。


その中では、児童生徒を対象とするAEDの使用を含む心肺蘇生法の実習の実施について以下のように記載されています。

「小学生については、AEDの機能の理解、設置場所の確認をさせるとともに、重大事故発生時には近くの大人に知らせるなど応急手当を手伝うことができるようにします」

との記載があります。


つまり、ASUKAモデルは、

反応の確認、呼吸の確認など心停止の判断をする際に、「判断ができなかったり、迷ったら、胸骨圧迫とAEDの使用に進む」ということ

学校の児童による心肺蘇生授業の実施 

が強調されています。



現在、埼玉県さいたま市では、すべての市立小学校・中学校の生徒たちが、国語・算数・理科・・社会を学ぶのと同じように命の授業として心肺蘇生法を学んでいます。



すべての子どもたちが、心肺蘇生方法を学んでから社会に出ることができるようになると、年間2万3千人以上の院外心停止の生存率・社会復帰率が大幅に増加できることが期待されています。



出典 AEDリンク集|AEDで助かる命|心臓病の知識|公益法人 日本心臓財団 (jhf.or.jp)



さいたま市のように、心肺蘇生法が授業に組み込まれる学校が増えるように、心肺蘇生法の授業をを行うために役立つツール・サイトをご紹介します。






授業で心肺蘇生法をにあたっての課題点


心肺蘇生法を授業で行うにあたって


1授業時間の確保が難しい

2資器材が不足している、有用な教材がない

3教師に心肺蘇生教育の指導経験が少ない 


という3つの課題があります。



1に関しては各学校によって、体育の授業を使ったり、総合的な学習の時間や特別活動の 中に組み込み、授業を行うなど工夫を凝らしています。


一方で2・3の問題は、多くの学校が指導に関する不安や 資器材の不足などの課題を解決するため、地域の消防機関や日本赤十字社と連携をして心肺蘇生法 講習を実施しているのが現状です。




授業で心肺蘇生法を行うにあたっての必要なもの


心肺蘇生法を行うには教材と資機材が必要です。

教材は子供たちが心肺蘇生法は怖いものではなく、大切なものであるということが伝わるものを選びましょう。





教材 



さいたま市が研修DVDの貸し出しを行っています。
さいたま市 ASUKAモデル DVD貸出



日本AED財団では小学校安全教育副読本『命を守る 心肺蘇生・AED』をダウンロードすることができます。



他にも、蘇生人形を通して授業を進めることができるものとして



救命ドリル スクーマン(全編)

出典  https://www.youtube.com/watch?v=lk4fhMI0zao&t=889s





救命ドリル スクーマン(実習)

出典 https://www.youtube.com/watch?v=pPEUsEjkxSY

CPR training box(あっぱくん)

等、授業を進めるためのシナリオも含め充実したものになっています。





資機材


資機材として何より重要なものが蘇生人形の準備です。


簡易人形でも2人に1体用意することができれば、1コマの授業で十分な胸骨圧迫を学べることができます。


人形は医療者でも使用するような蘇生人形から、学校教育に便利な簡易人形など様々あります。



レサシアン with QCPR (成人用)

出典 https://www.laerdal.com/jp/doc/2404/Resusci-Anne-with-QCPR





リトル アン (成人用)

出典 https://www.laerdal.com/jp/doc/3610/Little-Anne-QCPR







ミニアン

出典 https://www.laerdal.com/jp/doc/167/MiniAnne







あっぱくんライト

AED操作トレーニングツール | 製品情報 | AEDはフクダ電子 (fukuda.co.jp)







スクーマン2・スクーマンPOCO

出典 http://www.kinpai.jp/publics/index/77





AEDトレーナーの準備



AEDトレーナーは本物の除細動器の外見と動作を再現し、様々なシナリオを通しAEDの使用法を学ぶことが出来ます。



日本光電 AEDトレーナー

出典 AEDトレーニング関連製品|導入検討中のお客様へ|AEDライフ by 日本光電 (aed-life.com)







フィリップス AEDトレーナー

出典 https://www.philips.co.jp/healthcare/product/HCM5085A/hs1-aed





オムロン AEDトレーナー

出典 AED導入をご検討の方へ | オムロンフィールドエンジニアリング株式会社 (omron-fe.co.jp)






旭化成ZOLL AEDトレーナー

出典 https://www.ak-zoll.com/general/05.html







ライフパックCR2 AEDトレーナー

出典 AED訓練、CPR訓練 心肺蘇生トレーニング機材の格安レンタル (japanservice.co.jp)






CU AEDトレーナー

sp1トレーナー8

出典 CU-SP1 訓練用トレーナーのご紹介 | 株式会社クオリティー (qat.co.jp)





日本ライフライン AEDトレーナー

出典 消耗品・付属品|レンタル・購入は日本ライフライン (aed-rescue.com)







蘇生人形の入手方法に関して



AEDトレーナーや蘇生人形は購入する以外に準備する方法がありますのでご紹介します。



地域の団体と学校・教育委員会等の連携で、人形やAEDを準備する

地域医師会で購入・学校へ貸し出し

ロータリークラブで購入・学校へ寄贈 


自治体によってはAEDの貸し出しをしている自治体があります



また、指導員を派遣してもらうことで講習会を開催することもできます。

救命講習で一番有名なものが消防署で行われている、半日の普通救命講習8時間の普通救命講習です。

それ以外でも日本赤十字社や日本AED財団、MFA(メディック・ファーストエイド)ジャパン、民間企業でのAED講習会があります。

赤十字社HP http://www.jrc.or.jp/

AED講習会のご案内|日本AED財団 (aed-zaidan.jp) 

MFAの講習会 https://www.mfa-japan.com/programs/index.shtml


民間企業のAED講習会

キャノン https://cweb.canon.jp/medical/aed/ad/index.html?xadid=adly000016

日本光電 https://www.aed-life.com/lecture/#lecture02

SECOM https://www.secom.co.jp/business/medical/aed/skillup.html





蘇生人形を用意できない場合


しかし、コロナ禍の中人形を使っての講習会が開きづらい状況となっています。


そこで、効果的なのが、ペットボトルを使った心肺蘇生学習です。

心臓マッサージをする際の心臓を押す力とからのペットボトルを押す力がほぼ同じであるということに着目した、非営利型一般社団法人ファストエイドが開発した、心肺蘇生(CPR)訓練を空のペットボトルで簡単にできるキット「CPR TRAINING BOTTLE」を開発しています。

CPRトレーニングボトルプロジェクト – TOP (cpr-training-bottle.com)

サントリー天然水 550mlあるいは2lのペットボトルが推奨されています。


これなら、人数分集めるのも簡単で蘇生人形がなくても心肺蘇生法の授業を行うことが出来ます。








その他の授業で使えるツール


怖い、難しそうといったイメージがある心肺蘇生法ですが、ゲーム感覚で心肺蘇生法を学ぶことができます。


今まで当サイトで紹介してきた心肺蘇生法学習ツールをご紹介します。


1 心肺蘇生法カードゲーム

八王子市にキャンパスがある創価大学の学生「Team CUE」が開発したファーストエイダーズカードゲームがあります。

楽しみながら生命を守る学習の取り組みとして、地元・八王子の市立小学校での活用もスタートしています。

主に心肺蘇生法の行動が書かれたカードを手順通りに出して、その速さを競うものです。


出典 https://cue119.official.ec/items/19425060






2 サスペンスドラマ調で心肺蘇生法を学ぶ

日本循環器学会の「減らせ突然死プロジェクト実行委員会」が、心臓マッサージ(胸骨圧迫)やAEDの使用方法をゲーム感覚で学べる動画を作成しています。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。







3 クイズで心肺蘇生法を学ぶ






4 紙芝居で心肺蘇生法を学ぶ

帝京大学ELS研究会は心肺蘇生法を紙芝居形式で解説してくれています。


日本蘇生学会主催「第1回心肺蘇生法普及動画コンテスト」一時救命処置(BLS)部門において蘇生学会理事長賞、会場特別賞を受賞したものです。








最後に


埼玉県さいたま市のような働きが全国に広がり、一人でも多くの方が、心肺蘇生法を学ぶことができるように協力したいと思っています。


今回ご紹介したもの以外にも各消防署のHPではわかりやすく、心肺蘇生法や応急手当の解説が紹介されています。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA