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十分に睡眠をとっているのに、寝起きの体調の悪さに悩まされている人は多いと思います。
体調不良と一言でいっても、頭痛、めまい、吐き気、気分が悪い、かゆみ、身体の痛みなど寝起きには様々な体調不良を起こすことがあります。
そこで今回は、寝起きの体調不良の原因と対処法で目覚めの良い1日を迎える方法をご紹介します。
ぐっすり寝る方法に関してはこちらの記事をご覧ください。
目次
目覚めのメカニズム
目が覚めると、睡眠ホルモンであるメラトニンが遮断されて幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌が始まります。
脳が運動神経に指令を出し、抗重力筋が活動を始めます。
身体を動かし、活動を始める。
これが、寝起きの時のメカニズムです。
抗重力筋とは
ここで、重要なのが抗重力筋です。
抗重力筋とは、下記のように重力に逆らって状態を維持する筋肉のことをいいます。
首すじ(首を真っすぐにする)
背骨の周辺筋肉(姿勢を正す)
足の筋肉(二足歩行の維持)
瞼の筋肉(目を開ける)
表情筋(顔の表情を作る)
眠っている間は筋肉が弛緩していていますので、そのままでは身体を動かすことはできません。
目が覚め、セロトニンの分泌が始まると、抗重力筋にもパワーが徐々にみなぎってきます。
しかし、
ストレスや寝不足でセロトニンが分泌されない
老化や運動不足で抗重力筋が衰えている
といったことから思うように身体が動かないといったことがあります。
寝起きに思うように身体が動かないときは自律神経を整えることと抗重力筋を鍛えるストレッチが効果的です。
自律神経を整える方法に関してはこちらの記事をご覧ください。
抗重力筋を鍛えるストレッチ (身体の裏側にある筋肉)
身体の裏側にある下腿三頭筋、腓腹筋、ヒラメ筋、ハムストリングス、大殿筋、脊柱起立筋群などの筋肉をほぐします。
(1)仰向けになり、右膝を胸の方に近づけ、ゆっくり呼吸を繰り返しましょう。
(2)大きく息を吸いながら、上体を起こし、息を吐きながら膝と額を近づけます。
この時、頭から起き上がらず、下腹から上体をゆっくり起こすイメージで動作しましょう。
そのまま数回呼吸を繰り返し、尾てい骨から首の後ろまでゆっくりストレッチします。
(3)身体を床に戻し、右膝を左方向に倒し、目線は右肩に向け、ゆっくり呼吸を繰り返しましょう。
この時、肩が浮きすぎないように注意しましょう。
反対側も同様に動作を繰り返します。
抗重力筋を鍛えるストレッチ 身体の前側にある筋肉
身体の前側にある前脛骨筋、大腿四頭筋、腹筋群、頚部屈筋群などの筋肉をほぐすストレッチです。
(1)床にうつぶせ姿勢になります。
両腕を重ね、胸を柔らかく、お腹も深く床に沈め、ゆっくり呼吸を繰り返しましょう。
(2)左ひざを横に開きます。
(3)そのまま左肘と左膝を近づけ、気持ちよくお腹やそけいぶなどが伸びる位置でゆっくり呼吸を繰り返しましょう。
曲げた膝側のお尻が浮きすぎる場合は、膝の高さを低くして調整してください。
1~2分ほどポーズをキープしたら、反対側も同様に動作しましょう
寝起きに起きるめまい
寝起きに30秒から1分程度の回転性めまいが見られることがあります。
このめまいを良性発作性頭位めまい症といいます。
寝起きのめまいは難聴、耳鳴や手足のしびれなどの他の神経症状を伴いません。
難聴や耳鳴り、手足のしびれをともなうめまいが起きた場合は病院で診察を受けるようにしましょう。
寝起きにめまいが起きる原因
内耳にある卵形嚢にある耳石が剥がれ落ち、同じ内耳にある三半規管に入り、頭部を動かすときに刺激となることが、良性発作性頭位めまい症の主な発症原因と考えられています。
その原因となるのが、頭部外傷、内耳での感染、その他の内耳障害、加齢に伴う変性などです。
しかし、長期臥床も発症に関連すると考えられているため、寝起きにめまいが起こる場合があります。
このような耳石は内耳の暗細胞で再吸収されることで消失し、自然融解すると言われています。
寝起きのめまいを防止する方法
寝起きのめまいである、良性発作性頭位めまい症を予防するポイントは、耳石を三半規管にためないことです。
そのための方法をご紹介します
同じ方向で横向きに寝ない
いつも同じ向きで頭を横にして寝ていると、下側の耳の三半規管に耳石がたまりやすくなります。
横向きに寝た姿勢でテレビを見続けたりするのも、下側の耳の三半規管に耳石がたまりやすくなる原因ですので控えましょう。
意識的に寝返りを行う
頭をよく動かすと耳石が1か所にたまりにくくなります。
そこで、起床後と就寝前に寝床で、寝返りを行いましょう
まず左向きで10秒間、ゆっくりあおむけになって10秒間、右向きで10秒間、あおむけに戻って10秒間数えます。これを1回とし、10回程度続けます。
頭の位置を高くして寝る
寝るときに頭を少し高くすると、耳石が三半規管に入りにくくなります。
枕を高くしたり、上半身に傾斜をつけたりすれば予防に役立ちます。
寝起きに起きる頭痛
血流の変化や、寝ている間の筋肉の緊張によって起こります
ただし、寝起きに、頭全体あるいは一部に圧迫感や鈍痛が続き、突然の吐き気やけいれん発作があるときは、脳腫瘍の可能性があります。
起床後、突然嘔吐することもあります。こうした症状が見られた場合には、我慢せずにすぐに医療機関を受診しましょう。
片頭痛の原因
頭の片側がズキンズキンと痛む頭痛は片頭痛です。
睡眠中に優位になる副交感神経によって血管が拡張した状態から、起床後に交感神経が優位な状態になると、心拍数が上がり、血管がさらに広がって、三叉神経と呼ばれる神経が圧迫されます。
その刺激が、痛みを感知する大脳皮質の体性感覚野に伝わることで、痛みが出ます。
緊張型頭痛の原因
後頭部から首筋を中心に起きる頭痛は緊張型頭痛です。
緊張型頭痛は、筋肉の緊張によって起こります。
寝ている間に、寝相の悪さから筋肉の緊張が強まったり、身体が冷えたりすることなどが影響しています。
こめかみや肩などの筋肉の血行が悪くなった部分に、炎症が起こり、痛みを促す物質が生成され、頭痛が引き起こされます。
ストレスが慢性化することで、痛覚が過敏になり、脳が痛みを感じやすくなるともいわれています。
寝起きの吐き気
寝起きで吐き気の症状が出てしまったり酷い時は嘔吐してしまう症状が出て
しまう大きな原因は
胃の機能低下
食べた物が消化されていない
二日酔い
ストレス
低体温
等が原因ですが、頭痛を伴う吐き気や腹痛を伴う吐き気は他の病気である危険性が高いため、病院で診察を受けるようにしてください。
二日酔いに関してはこちらの記事をご覧ください。
最後に
寝起きに身体が痛む原因には寝方が悪い、循環が悪いということが考えられます。
しかし、一番の原因は睡眠不足です。
睡眠不足により、
痛みを発している筋肉や関節に栄養が行きわたっていない。
痛みを発している筋肉や関節の疲労を取り切れていない。
このようなことから、身体に痛みが出ますが、多くの場合、動き出すと血液が流れ栄養吸収と疲労物質の回収が行われ痛みが消えます。
そのため、寝起きの体が痛い場合の改善策には睡眠をしっかり取ることが重要です。
痛みが消えないは病院で診察を受けるようにしてください。
睡眠時間が確保できない方はこちらの記事の昼寝の方法をご覧ください。


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