心臓マッサージの際に胸を押すのに必要な力が、空のペットボトルを押す力とほとんど同じなんです。
そこに着目した非営利型一般社団法人ファストエイドが開発した、世界初のCPR訓練用キットも出しています。
参考 CPRトレーニングボトルプロジェクト – TOP (cpr-training-bottle.com)
ペットボトルを使った心肺蘇生法のやり方
心肺蘇生のやり方は、倒れている人の胸の真ん中に手のかかとの部分を重ねてのせ、肘を伸ばしたまま真上から強く(胸が約5センチ程度沈むまで)押してください。
押した後には瞬時にその力を緩めますが、手が胸の真ん中から離れないよう、ずれないようにします。
これを1分間に100~120回の速さで繰り返し続けましょう。
“ペットボトルを使った心肺蘇生 手順”
1 飲み干して空にした南アルプスの天然水を用意し、しっかりキャップをしめましょう。


2 余っているキャップがあれば2つ重ねてテープでつけたものを準備し、ペットボトルを床に置きます。


3 ペットボトルを胸の真ん中だと思って押す(ペットボトルを支えてくれる人がいると安定します)

ペットボトルを押す強さはどの位?
実際の人間の胸は、体格や年齢などで硬さに差があり、JRC蘇生ガイドライン2015では押し込む深さが成人で5cm(6cmを超えないこと)と規定されています(子供では胸の厚さの1/3)。
簡易講習で使われている訓練用人形の胸を5cm押す際にかかる荷重は約50kgという研究結果が出ています。
訓練用人形にかかる50kgの力でのペットボトル(550ml)を押すと、約6.5cmあるボトルの直径が約2cm程度になるまで凹むことから、2cm程度の厚みになるくらいが1つの目安となります。
“2cm程度の厚みにする方法”
先ほど作った、キャップを二つくっつけて作ったものを置いて指先に触れるくらい押すことによって、実際の胸骨圧迫の力と同じくらいの力で押せることになります。

実際にペットボトルで心配蘇生の練習をやってみた!
他のペットボトルでも練習してみた!
“サントリー南アルプスの天然水が心臓マッサージの訓練に推奨される理由”
約30種類の中からファストエイドの代表理事であり、救急救命士で元救急隊員の小澤氏が現場で心臓マッサージを施していた時の感覚と似たペットボトルを選んだ結果、
「サントリー南アルプスの天然水」が一番感覚が似ているということで「サントリー南アルプスの天然水」が推奨されています。
モーションキャプチャーと荷重計を組み合わせて、CPRをする時にかかる荷重と、その時の変形量を詳細に測定し、得られた数字を時間軸で並べて波形データを作成し検証しているそうです。
最後に
コロナ禍の影響でまだ消防署や日本赤十字社での心肺蘇生講習がなかなか開催されない中でも、南アルプスの天然水を押すことで心肺蘇生の練習ができます。
実際の講習会でもペットボトルを使った講習会が増えてきているようですので、ぜひご自宅や職場で練習してみてください。


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