2015年に国が大企業にストレスチェックを義務付ける制度をスタートしました。
それだけ、ストレスに悩まされている人が今まで以上に増えているということですが、なぜ現代はストレス社会と言われているのでしょうか?

目次
ストレス社会
ストレスとは
このストレッサーには、次の5種類があります。
➀物理的ストレッサー:
光(テレビの画面の色)、音(騒音)、温度(過度の冷暖房)、外傷など
②化学的ストレッサー:
アルコール、タバコ、食事、食品、ほこり、排気ガス、臭気など
③生物学ストレッサー:
花粉、細菌、カビ、ウイルスなど
➃心理ストレッサー:
心配、不安、不満、憎しみ、怒り、劣等感、優越感、嫉妬、罪悪感、対人関係の悩みなど
➄社会ストレッサー:
ライフサイクル(結婚)、家庭(住宅ローン)、職場(転勤)、生活上の変化(転居)など
ストレスが心身に生じ続けると、うつ病、十二指腸潰瘍、不登校など、様々な症状として心身に害を及ぼします。
良いストレスと悪いストレス
ストレスとは刺激に対する反応です。
その反応には、当然悪い反応もあれば、良い反応もあります。
つまり、ストレスには「悪いストレス」だけでなく「良いストレス」もあるのです。
良いストレス(eustress)
良いストレスとは
目標、夢、スポーツ、よい人間関係など
自分を奮い立たせてくれたり、勇気づけてくれたり、元気にしてくれたりする刺激とその状態です。
eustress(ユーストレス)とも呼ばれます。
悪いストレス(distress)
一方、悪いストレスとは、
過労、悪い人間関係、不安など
自分のからだやこころが苦しくなったり、嫌な気分になったりする刺激とその状態のことをいいます。
distress(ディストレス)ともいいます。
悪いストレスを全く無くすということはできません。
悪いストレスは、何とかそれに対処していくことが重要です。
ストレス対処法
ストレスを感じた時上手にストレスに対処する方法ををコーピングといいます。
コーピングは私たちがストレッサーにさらされたときに焦点を当てそれをどのように対処していくかの過程をみます。
コーピングは大きく分けて以下の3種類に分けることができます。
問題焦点型コーピング
ストレッサー自体に働きかけることで(取り除く遠ざける)ことで認知できなくさせるという方法です。
例えば、引っ越しをしたり、異動願いを出す等が問題焦点型コーピングにあたります。
情動焦点型コーピング
ストレッサーへの認知の仕方を変えることで受けるストレスを減らしたり無くす方法です。
例えば、苦手な人のいいところを見つける、創意工夫で単純作業でもやりがいを見つける等が
情動焦点型コーピングです。
ストレス解消型コーピング
一番皆さんが試している、受けてしまったストレスを体の中から消し去るやり方です。
運動、カラオケ、旅行などの気晴らし型
ストレスとなった体験を誰かに話す情動表出型
マッサージやヨガなどのリラグゼーション型
等がストレス解消型の代表的なものです。
3つのR
ストレスの対処法で最も基本的なことを「3つのR」といいます。
① “R”ecreation:リクリエーション
【エネルギー消費 大】
旅行、テニス、サッカー、登山、ゲーム、映画・芝居鑑賞、コンサート、飲み会など
② “R”elaxation:リラクセーション
【エネルギー消費 中】
マッサージ、ヨガ、 温泉、読書、漫画、TVやDVD鑑賞など
③ “R”est :レスト(休養)
【エネルギー消費 小】
質の良い睡眠、家でゴロゴロするなど
3つのRで重要な点
3つのR自体は当たり前のことですが、重要なことは、どのRを選ぶかということです。
3つのRの選ぶポイント
選び方のポイントは現在の自分のこころと身体のエネルギー値です。
元気な時に①を行うとエネルギーはたくさん消費しますが、楽しめた分だけ結果的に充電できます。
一方でエネルギー値が低い時に①をしても、心から楽しめず消耗するばかりです。
そういう時は意識的に②または③を選び、楽しむための消費を最低限にして充電に集中することを心がけてください。
ストレスとうまく付き合う方法
ストレスの対処法をご紹介してきましたが、どんな方法でもストレスが完全になくなることはありません。
大切なことは、ストレスとうまく付き合っていくことです。
深呼吸
ストレスとうまく付き合っていく方法で、簡単なのは深呼吸です。
息を吐くとき、「息が出て行くな~」と感じて下さい。
まずはできるだけ吐き、勝手に吸わせながら、意識的に長く、ゆっくりと、抵抗を感じながら吐いていきます。
くりかえしてどんどん、呼吸を大きく長くしていきます。
自分が息を吐いている、息を吸っている、そのことだけを考えましょう。
1回ごとに吐く息の勢いがおさまっていく様子を感じると、呼吸がゆっくりなりやすくなり、呼吸がゆっくりになると、心が静まるようにできています。
深呼吸についてはこちらで詳しく解説していますのでご覧ください。
最後に
ストレスが完全になくなることはありません。
ストレスレベルが高すぎても、低すぎても仕事の生産性が落ちるということが研究でわかっています。
つまり、体と心のバランスを保つためには、適度なストレスが必要なのです。
ストレスとうまく付き合っていく方法には、深呼吸以外にもマインドフルネスというものがあります。
マインドフルネスに関してはこちらの記事をご覧ください。
不惑の応急手当広め隊
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