出典 https://youtu.be/bK-cPoVyB7o
事故や怪我などで119番通報をすると通信指令員と呼ばれる係員が電話に出ます。
この係員が、事故現場などを割り出し、救急車・消防車を向かわせる他、応急手当の方法などを教えてくれます。
つまり、電話の先にいる、この通信指令員が応急手当を教えてくれることで、手当に関わったことがない人でも救命効果が上がります。
そこで今回は、はじめての119番通報でも慌てないように、通信指令員の役割をご紹介します。
通信指令員とは
119番通報をすると、通報を受けた係員が、通報者から情報を聴取しながら、タッチパネルとマウス操作を行い、コンピューターが出動指令を行います。
通報を受けた時点で、その現場から最も近い位置にある消防車・救急車に対して、出動指令が行われます。
これらの作業は119番着信から1分程度で行われます。
消防車・救急車が現場へ向かっている間にも、通信指令員は詳しい情報収集を行い、応急手当の方法などを伝えてくれます。
この応急手当を教えてくれる口頭指導があるため、意識がない、呼吸がないといった場合はためらわずに119番通報するようにしましょう。
口頭指導の例
意識がない、大量の出血がある、広範囲のやけどをしたなどは、緊急度が非常に高い場合です。
そのため、通信指令員は救急車だけでなく消防車も同時に出場するPA連携と呼ばれる、「支援救急出場」という指令を出します。
通信指令員は、支援救急出場指令と同時に、通報者やその周囲の方々に、応急手当の口頭指導を行います。
口頭指導とは
消防の通信指令員が119番通報してきた人に対して、通報内容から傷病者の状態を判断します。
そして、救急車が到着するまでの間に何らかの対応が必要であると判断した場合、その状況に即した具体的な応急手当の方法を口頭で指示し、協力を要請します。
これを口頭指導と言います。
口頭指導の目的
口頭指導は、傷病者のそばに居合わせた人(バイスタンダー)から状況を聴取し、それに適した応急手当を指示して実行してもらう事により救命効果の向上を図ることを目的としています。
心肺蘇生法の口頭指導

出典 https://youtu.be/bK-cPoVyB7o
実際に傷病者に意識がない場合、電話先で通信指令員は「心肺蘇生法のやり方を知っていますか?」と聞いてきますので見栄をはらずに正直に答えましょう。
また、「AEDは近くにありますか?」「AEDを持ってきてください。」と言われますので誰かがいるときは依頼し、周りに誰もいないときは自分で取りに行きます。
まず、固い場所に寝ているかを聞かれますので可能であれば胸骨圧迫が行いやすい、固い場所に移動します。

出典 https://youtu.be/bK-cPoVyB7o
通信指令員「心臓マッサージのやり方を伝えるのでその通りやってください」

出典 https://youtu.be/bK-cPoVyB7o
「傷病者を仰向けにして、胸の横に位置してください。」

出典 https://youtu.be/bK-cPoVyB7o
「胸の真ん中に手のひらの付け根を当ててください。」

出典 https://youtu.be/bK-cPoVyB7o
「その上にもう一方の手を重ねて置いてください。」

出典 https://youtu.be/bK-cPoVyB7o

出典 https://youtu.be/bK-cPoVyB7o
「両ひじをまっすぐに伸ばして真上から5㎝(中学生までは胸の厚みの3分の1)(両手・片手・2本指は任意)沈むように胸を強く圧迫してください。」

出典 https://youtu.be/bK-cPoVyB7o
「圧迫のテンポは「イチ」「ニイ」「サン」くらいの速さで連続して行ってください。(テンポに合わせるため数を数えるなど具体的に伝えてくれます。)」
※毎回の胸骨圧迫の後で完全に胸壁が元の位置に戻るように圧迫を解除するように言われます。
また、胸骨圧迫が浅くならないようにとも言われます。
協力者がいる場合は1~2分目安に交代してくださいと言われます。
救急隊が到着し交代するまで、または、傷病者に正常な呼吸や胸骨圧迫をしている手を払いのけるなどが認められるまでは続けてくださいと言われます。
AEDが到着したら救急隊にAED到着の旨を伝えましょう。
異物除去の口頭指導
「口頭指導」は、心肺蘇生法、気道異物除去法、止血法、熱傷手当、指趾切断手当の中から、直ちに応急手当が必要と判断される場合に実施しますが、ここでは心肺蘇生法の次に起こりうる気道異物除去法がどのように口頭指導が行われるかをご紹介します。
通報者 「子どもが食べ物を喉に詰まらせてしまって意識がありません!」

出典 https://youtu.be/6S0qSdcLJGM
通信指令員 「お子さんを前かがみの姿勢にして、背中の真ん中を手の平で強く叩いて下さい。
トイレに向かって吐くような姿勢です。」
「出ましたか?」
通報者 「まだ、出ません。」

出典 https://youtu.be/6S0qSdcLJGM
「それでは、お子さんの後ろに回り、腋の下から腕を前に通してください。
その手を、肋骨の下の柔らかい部分で組んでください。
その手を当てたまま、体ごと持ち上げる様に上へ引き上げてください。」
「何度か行い、吐き出さないようでしたら、心肺蘇生法を行っていただきます。どうですか?」
通報者 「あ!咳をし始めました。意識も戻ったみたいです。」
通信指令員 「それでは、呼吸をしやすいような楽な姿勢にしてあげて、救急隊をお待ちください。」
最後に
このように、通信指令員が冷静な判断で指示を出してくれます。
まず一番重要なことは落ち着いて行動することです。
第一発見者であったり、そばにいるあなたの応急処置が、被害を最小限に食い止める鍵です。
落ち着いて通信指令員の指示に従ってください、あなたの応急手当が命を救います。
119番通報の仕方と流れに関してはこちらの記事も参考にしてください。
不惑の応急手当広め隊
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