出典 https://movienosuke.com/mannga/1961/
スタジオジブリは宮崎監督の長編映画引退宣言に伴う制作部門の解散で、映画製作部門から撤退していました。
しかし、宮崎駿監督は「作るに値する題材を見出したから」と引退撤回し、あらためて映画制作を再開することを決断しました。
このことはニュースでも大きく取り上げられましたが、なぜジブリ作品、宮崎駿監督復帰がここまでニュースになるのでしょうか?
それは、スタジオジブリ及び宮崎駿監督・鈴木敏夫プロデューサーが本物のプロだからこそ待ち望まれていたという他ありません。
そこで今回は『スタジオジブリ』を通してプロとは何かを考えていきたいと思います。

出典 https://www.donguri-sora.com/products/list.php?category_id=275
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『スタジオジブリ』とは
スタジオジブリは「風の谷のナウシカ」の成功を基に1985年に徳間書店の支援のもと設立されました。
その後、徳間書店の社内カンパニーを経て独立会社として2004年に今の形になりましたが、2014年宮崎駿監督の引退宣言をきっかけにア映画制作部門を解体し、今後は版権管理などの事業だけになることが発表されました。
ジブリの名前に込められた想い
ジブリとはサハラ砂漠に吹く熱風のことで,
第2次大戦中、イタリアの軍用偵察機が名前に使用していました。
この偵察機は映画『風立ちぬ』の登場人物であり実在の人物カプローニが作ったものです。

出典 https://twitter.com/kinro_ntv/status/1116709274112028672
「日本のアニメーション界に旋風を巻き起こそう」という意図があったそうです。
文字通り日本のアニメーション会に旋風を巻き起こしましたが、宮崎駿監督とジブリの双璧をなした高畑勲監督が亡くなり、宮崎駿監督の引退宣言になりましたが、復活宣言により再び日本アニメーションきってのプロ集団であるスタジオジブリが再び旋風を巻き起こしてくれるのを心待ちにしている方は多いと思います。
プロとは
プロ=プロフェッショナルが何かを理解するためには、対義語であるアマチュアとの違いで考えてみましょう。
アマチュアとは、プロに近い技術や知識を持っているが、その能力を活かせる職業に就いていない人を指す言葉です。
職業や分野によってプロとアマの違いはさまざまですが、ここではその一例をご紹介しましょう。
・最終的な結果を出すか出さないか
・不調のときに休むか休まないか
・常に成長のための努力をしているかどうか
・自分に対する評価基準が厳しいか甘いか
・成果が出たときにすぐ切り替えるか、いつまでも喜んでいるか
・責任があるかないか
・妥協するかしないか
この中でも宮崎駿監督、鈴木敏夫プロデューサーは仕事にこだわりを持って一切妥協しないように感じます。
数例ですが例を挙げますので、ジブリのプロ集団たる秘密がわかると思います。
長編映画しか作らない
ジブリのように原則的に劇場用の長編アニメーション以外はほとんど製作しないスタジオというのは、日本のアニメ界だけでなく、世界的にも極めて稀な存在です。
アニメーション制作業界では、興行の保証が得られない劇場用作品は、リスクが大きすぎるだけに、継続して収入が得られるテレビ・アニメーション・シリーズを活動の中心に置くのが常識だそうです。
しかし、ジブリでは目指している人間の心理描写に深く入り込み、豊かな表現力で人生の喜びや悲しみをありのままに描き出すことを実現していくためにはどうしたらよいか考えました。
それが、テレビという、予算的にもスケジュール的にも制約の大きい媒体では不可能であるという結論に到達し、世界的にも稀有なアニメーション制作会社へと成長したのです。

出典 https://creive.me/archives/3555/
本職が声優の人をあまり起用しない
宮崎駿監督は『となりのトトロ』でサツキとメイの父親草壁タツオ役をプロの声優ではなく、声優としては素人である糸井重里さんに依頼した理由を以下のように語っています。
「声優さんの声を色々きいて
みたんですけど、なんか、
あったかくてね、子供の事を
全面的に理解している父親に
なりすぎちゃう。
昔、パパは何でも知っている
ってTV番組あったでしょ、
30そこそこの親父がそんなに
なるはずない。
自分が父親の体験者でしょ。
実際の父親の実態っていうのは
”パパは何でもしっている”じゃない」
ここでも強いこだわりを持ち、父親役の声優にリアリティを求めていたことがわかります。

出典 https://xn--o9j0bk7253fj2b.net/2017/01/totoro_otousan/
ジブリのキャッチコピーができるまで
こだわりを持ち、妥協しないのは宮崎駿監督だけではありません。
以前開催していたジブリ大博覧会で、鈴木敏夫プロデューサーとコピーライター糸井重里氏がもののけ姫のキャッチコピーを決めるまでのファックスのやりとりが展示してありました。
最初の手紙は1996年3月21日、鈴木さんから糸井さんにあてたものです。
まだ作品が完成していない中、ストーリーの概要を説明した手紙でした。
それから数カ月後、糸井さんから最初のコピーが手紙と一緒に届けられます。
最初のコピー案は、
「おそろしいか。愛しいか。」
「おまえには、オレがいる。」
「惚れたぞ。」
「ひたむきとけなげのスペクタクル。」
どの案もラブストーリー色が強いコピーのようです。
しかし、その当日中に、鈴木さんが糸井さんへの返事を書きます。
返事には「前略糸井重里さま 再考を! 宮崎も『ちがう』というし、小生もちがうと思いました」との回答でした。
2回目のコピー案は、ラブストーリー色が薄まり、
「だいじなものは、ありますか。」
「昔々は、今の今。」
の2案。
それに対して、鈴木さんはまたもやすぐに「も、もう1回! お願いします。大体こういうのは、3度目がいいんだと、ダレか偉い人もいって……いませんでしたっけ!? ともあれ、お手をわずらわせますが、よしなにご検討のほどを。ところで、告白しますが、ぼくもこの映画の解説文を書こうと思い立ち、すぐにつまづき、いま思い悩んでいる処です。トホホ」と送っています。
3回目、このときは
悪からでも善からでも、おまえを守る!
あなたは、何を守る?
弓を誰に弾く!?
なぜ、俺は生まれてきた。
LIFE IS LIFE!
化けものだらけ。
神々はなつかない。
森には、おそろしい神々がいる。
これでも採用されません。
そしてついに4回目のやり取りが行われた7月1日、あの「生きろ。」のコピーが生まれました。
このときには二人ともノイローゼ寸前だったそうです。
宮崎駿監督に加え、鈴木敏夫プロデューサーも妥協をしない。
この自分の仕事に信念を持ち、妥協しないという姿勢がプロ意識に繋がるのかもしれません。

出典 https://matome.naver.jp/odai/2142467873833256901
最後に
世の中にはプロとは名ばかりのただの職業になっている人が多く感じます。
真のプロであるスタジオジブリの作品がまた見れる日を楽しみにしながらもう一度ジブリ作品を見返してみてはいかがでしょうか?
プロとは何かそして、それぞれの作品に隠されてるメッセージがあなたを包んでくれるはずです。

出典 https://www.pinterest.jp/pin/367043438361703859/
不惑の応急手当広め隊
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